兪啓威

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兪啓威（ゆ　けいい、ユイ・チーウェイ、1912年-1958年11月）は中国共産党初期の活動家。黄敬と名乗った。

浙江省紹興市の生まれ。名家の出で祖母は曽国藩の孫娘である。1931年青島大学に入学し、物理学を専攻する。翌1932年に共産党に入党し、学生生活を送りながら地下活動を行っていた。1933年には、同大学の図書館に勤務していた江青と知り合い、恋人となって同棲する。同年国民政府によって逮捕され死刑宣告を受けるが、蒋介石の信頼を得ていた国民政府高官の叔父兪大維の尽力で釈放される。釈放後は北京で劉少奇の庇護のもと地下に潜っていた。1935年12月9日の抗日学生運動を指導。この頃アメリカ人ジャーナリストのエドガー・スノーやその妻ニム・ウェールズと知り合う。1937年に江青とともに歩いて中国共産党の本拠地延安まで渡った。江青はそこで毛沢東と出逢い結婚した。1949年天津市長、1950年代には北京で第一機械工業部部長を歴任。若い頃の地下活動が祟って体が不自由になり、1958年死去。

1986年、范瑾との間に生まれた息子の兪真三（本名兪強声）がアメリカに亡命し、世界を驚かせた。真三は啓威の没後康生の養子となり、公安部系統の職歴を重ね、亡命したときは国家安全部外事局長の職にあった。また叔父の兪大維は中華民国台湾国民政府で長く国防部長を務めた重要人物である。兪大維の娘は、中華民国第6期・7期の総統を務めた蒋経国の息子の妻となった。