俊乗坊重源

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俊乗坊重源（しゅんじょうぼうちょうげん 1121年（保安2年） - 1206年 7月12日（建永元年6月5日））は、鎌倉時代の勧進僧。紀氏の出身で紀季重の子。源平の争乱で焼失した東大寺の復興を果たした。

長承2年(1133年)、13歳の時醍醐寺に入り出家する。のち浄土宗の開祖、法然に学ぶ。四国、熊野など各地で修行をする。中国（宋）を3度訪れたという（異論もある）。

東大寺は治承4年(1180年)、平重衡の焼打ちによって伽藍の大部分を焼失。大仏殿は数日にわたって焼け続け、大仏（盧舎那仏像）もほとんどが焼け落ちた。

東大寺の再建には財政的、技術的に多大な困難があったが、養和元年(1181年)、重源が造東大寺大勧進職に就いた。周防国の税収を再建費用に当て、のち源頼朝の支援も受けることになった。重源は中国で建築・土木技術を習得したといわれ、中国の技術者、陳和卿の協力を得て職人を指導した。自ら巨木を求めて山に入り、奈良まで移送する方法も工夫したという。また、伊賀、紀伊、周防、備中、播磨、摂津に別所を築き、信仰と造営事業の拠点とした。

幾多の困難を克服して大仏を鋳造し、文治元年(1185年)、開眼供養を行う。建久6年(1195年)、大仏殿を再建。建仁3年(1203年)に総供養を行った。（東大寺盧舎那仏像を参照）大和尚の称号をおくられる。

重源の再建した大仏殿は、戦国時代に松永久秀によって焼かれてしまった。現在の大仏殿は江戸時代の再建である。東大寺には重源時代の遺構として南大門、開山堂、法華堂礼堂（法華堂の前面部分）がある。播磨の別所に造られた浄土寺浄土堂（兵庫県小野市、国宝）も現存している。

建仁3年(1203年)頃『南無阿弥陀仏作善集』を記す。

なお、重源の死後は、臨済宗の開祖として知られる栄西が、東大寺大勧進職を継いでいる。

[編集] 大仏様

重源が再建した大仏殿などの建築様式は非常に独特なもので、かつては天竺様（てんじくよう）と呼ばれていたが、インドの建築様式とは全く関係がなく紛らわしいため、現在の建築史では大仏様（だいぶつよう）と呼ぶ。

当時の中国（宋）の福建省あたりの様式に通じるといわれている。日本建築史では、飛鳥、天平の時代に中国の影響が強く、その後、平安時代に日本独特の展開を遂げていたが、再び中国の影響が入ってきたことになる。構造的には、貫（ぬき）といわれる水平方向の材を使い、柱と強固に組み合わせて構造を強化している。また、貫の先端には繰り型といわれる装飾を付けている。