二輪屋台
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二輪屋台（にりんやたい）とは、祭りで使われる屋台の一種。静岡県遠州地方の大井川から天竜川一帯、特に東海道沿いに多く見られる。
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[編集] 分類
遠州地方の二輪屋台は、大きく2種類に大別される。
[編集] 一本柱万度型
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江戸型屋台の原型で、江戸中期の「神田明神祭礼絵巻」にも同様の屋台が見られる。囃子台の上に一本柱を立て、その上に万度（万灯）が乗り、更にその上に山車人形を飾る。旧小笠郡から旧磐田郡浅羽町までの沿岸地域に多い。遠州横須賀三熊野神社祭礼（掛川市横須賀）のものが有名。
通称「祢里（ねり）」と呼ばれる。
[編集] 御所車型
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御所車のような形をしているためこのように呼ばれている。掛川市から磐田市までの中東遠地方各地に見られる。屋上には一本柱万度型と同様山車人形を飾る（一部例外もある）。各地でいろいろな型があるが、転売や新規の建造などとともに、近年特徴の共通化・混濁化が進んでいる。
代表的なものを以下に示す。
- 袋井型……最も一般的な形。正面の出高欄はやや小さい。袋井市周辺に多い。
- 森型……袋井型に似ているが、漆塗りを原則とする。正面の出高欄に若衆が乗って屋台を指揮する。周智郡森町に多い。
- 掛川型……一般的に斗組と脇障子がなく、出高欄が大きい。出高欄に子供が乗り、囃子の締太鼓が演奏される。掛川市中心部に見られる。
- 日坂型……屋上に「浜床」と言われるベランダ状の部分がなく、正面の出高欄や脇障子もない。また組高欄が障子状になっており、外側に開いているため、俗に「アサガオ屋台」と呼ばれる。掛川市東部の日坂地区から菊川市一帯に多い。
- 中泉型……脇障子がなく、掛川型のように出高欄の部分で囃子を演奏する。磐田市中泉の府八幡宮祭礼に見られる。
- 唐破風型……唐破風作りになっており、屋上には山車人形を飾らない。浜松市春野町および菊川市のごく一部に見られる。
[編集] 祭礼の実施時期
遠州地方では4月から11月にかけて各地で屋台祭りが行われるが、二輪屋台の曳かれる代表的な祭礼を以下に挙げる。
- 遠州横須賀三熊野神社祭礼（掛川市横須賀）……4月第一週。一本柱万度型の屋台祭りの代表。祭礼囃子は静岡県の無形民俗文化財第一号となっている。
- 飯田山名神社祭典（周智郡森町飯田）……7月第二または第三週。舞台で舞われる舞楽の周りを練り歩くところが最大の見せ場である。
- 事任神社祭礼（掛川市日坂）……9月第二週。日坂型屋台の典型例。二輪屋台の特質である屋台を前後に激しく揺らす動作が見せ場である。
- 中泉府八幡宮祭礼（磐田市中泉）……10月第一週。二輪屋台と四輪屋台が混在する地域。
- 袋井祭（袋井市駅北地区）……10月第二週。袋井型屋台の祭りとしては最大規模。
- 掛川祭（掛川市駅北地区）……10月第二週。屋台祭りの面だけでなく、各種の芸能や3年毎の大祭のみに催される余興が有名。
- 森の祭り（周智郡森町森）……11月第一週。舞楽を奉仕した稚児を、地面を歩かせずに屋台で自宅まで送り帰す「舞児還し（まいこがえし）」の儀式で有名。
[編集] 関連項目
- 山名神社……上記の山名神社祭典が行われる。
