上野天神祭
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上野天神祭(うえのてんじんまつり)は、伊賀流忍者のふるさと三重県伊賀市上野地区に鎮座する、上野天満宮などとも呼ばれる菅原神社の秋祭りである。
天正13年(1585年)筒井定次が伊賀の領主となり上野天満宮を祀ったことに起源を発し、慶長13年(1608年)には藤堂高虎が天満宮の新改築、寄進等に力を注いだ。その後天和2年(1682年)に天神祭礼倹約令により省略されているが、元禄元年(1688年)には復活し藤堂高久が祭礼を城内假御殿より見物、田楽、能、狂言等が行われ、三之町の鬼行列も始められたとされ、おおよそ現在の形態を整えたとされる。
京都の祇園祭の山鉾に似た、だんじり(楼車)の巡行と、鬼行列が有名であり、神輿の渡御を中心とする祭りに仮装の行列や作り物が加わり、現在のような鬼行列や印、だんじりで賑わう形態を整えるようになったものである。印は依代と考えられるもので、それを囃すだんじりと鬼行列と呼ばれる仮装行列が続く、類例の少ない貴重な行事であり、「上野天神祭のダンジリ行事」として重要無形民俗文化財に指定されている。
だんじりの上で奏でられるお囃子は、祇園祭で奏でられるものが元になったといわれている。男児利を有する町衆の中で奏者は受け継がれてきたが、近年は後継者不足で、公募で奏者を募っているところもある。
- 祭りの日程