ロベール・ブレッソン
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ロベール・ブレッソン(Robert Bresson, 1901年9月25日 - 1999年12月22日)は、フランス、ブーシュ=デュ=ローヌ県ブロモン・ラ・モト生まれの映画監督。
映画監督になる前は画家、写真家として活躍した後、数本の作品に助監督、脚本家として参加。1934年中篇『公共問題』で監督デビューするものの仕上がりが気に食わずすべて廃棄処分にしてしまう。その後、第二次世界大戦に従軍するもののドイツ軍の捕虜となってしまい、その収容先で知り合った司祭より映画の制作を依頼され、終戦後に「罪の天使たち」を制作、この時点でのちの職業俳優を一切使わないブレッソン流の演出を確立。「ブーローニュの森の貴婦人たち」の制作後にジャン・コクトーらとともに、後の「カイエ・デュ・シネマ」の母体とも言うべき組織「オブジェクティブ49」を創設するも、後に袂を分かつ。自らの作風を“シネマトグラフ”と名付けた。以降、寡作ではあるものの着実に数年おきに各作品を製作、公開。世界中の数々の映画賞を受賞し、広くその名を世間に知られることになる。
自らの作品群を「シネマトグラフ」と総称し、初期の作品を除き出演者にはプロの俳優を一切起用せず、感情表現を抑えた作風を貫くなど独自の戒律に基づいた厳しい作風が特徴。素人として参加した出演者の中には(マリカ・グリーン、フランソワ・ルテリエ、ドミニク・サンダ、アンヌ・ヴィアゼムスキー)等、そのまま映画界に留まる者もいる。
いわゆる前衛の監督ではないが、極限まで虚飾を廃して大胆かつ慎重に作り上げられた繊細な各作品は、その異様で静かな迫力によって他の映画人を震え上がらせ、そして一般の観客にはなんらかのかたちで「映画とは何か」という問いかけを感じさせずにはおかないという点で、きわめて特異な作家であるといえる。
同姓の写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンとの血縁関係は無い。
[編集] 監督作品
- 『公共問題』 - Les Affaires publiques (1934)
- 『罪の天使たち』 - Les Anges du péché (1943)
- 『ブーローニュの森の貴婦人たち』 - Les Dames du Bois de Boulogne (1945)
- 『田舎司祭の日記』 - Journal d'un curé de campagne (1951)
- 『抵抗 - 死刑囚の手記より』 - Un condamné à mort s'est échappé ou le vent souffle où il veut (1956)
- 『スリ』 - Pickpocket (1959)
- 『ジャンヌ・ダルク裁判』 - Procès de Jeanne d'Arc (1962)
- 『バルタザールどこへ行く』 - Au hasard Balthazar (1966)
- 『少女ムシェット』 - Mouchette (1967)
- 『やさしい女』 - Une femme douce (1969)
- 『白夜』 - Quatre nuits d'un rêveur (1971)
- 『湖のランスロ』 - Lancelot du Lac (1974)
- 『たぶん悪魔が』 - Le Diable probablement (1977)
- 『ラルジャン』 - L'Argent (1983)
[編集] 作品のビデオ化の現状
日本に於いてはブレッソンの作品を収録したDVDは、以前はジェネオン エンタテインメント社から「バルタザールどこへ行く」と「少女ムシェット」が、アイ・ヴィー・シー社からは「スリ」と「ジャンヌ・ダルク裁判」がリリースされていたが、いずれも絶版になっており(2005年末現在)、かろうじて手にはいるのが「ブーローニュの森の貴婦人たち」「田舎司祭の日記」と遺作の「ラルジャン」の3作だけとなり、きわめて困難な状況になっている。
[編集] 外部リンク
- The Internet Movie Database:Robert Bresson
- robert-bresson.com ブレッソンファンサイト