ロシア帝国の国歌
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ロシア帝国の国歌の名は神よツァーリを護り給え(ロシア語:Боже, царя храни)。歌は1833年に開かれたコンテストで、詩人ヴァシーリイ・アンドレーエヴィチ・ジュコーフスキイ(Василий Андреевич Жуковский、(1783年 - 1852年)作詞、バイオリン奏者アレクセイ・フョードロヴィチ・リヴォフ(Алексей Фёдорович Львов、(1799年? - 1870年)皇太子の作曲したものが選ばれた。1917年まで国歌として使われたが、ロシア革命により帝政が崩壊しソビエト連邦が成立すると、インターナショナルが新しい国歌となる。
楽曲はチャイコフスキー作曲の「序曲1812年」のフィナーレや「スラヴ行進曲」に引用され、また、米国ペンシルバニア州の州歌である「ペンシルバニア万歳 (Hail, Pennsylvania!)」や "God, the Omnipotent!"、Order of the Arrow の公式歌である "Firm Bound in Brotherhood" では同じ楽曲を別の歌詞と共に使っている。
なお、歌詞は当初は違ったものが採用されていた。1815年に制定された国歌では、曲はイギリス国歌の"God save the King"と同じで、歌詞はジュコーフスキイのオリジナルのものであった。
[編集] 歌詞
1番歌詞。全部で7番まである。
前半と後半でそれぞれ2回繰り返す。
Боже, Царя храни!
Сильный, державный,
Царствуй на славу,
На славу намъ!
Царствуй на страхъ врагамъ,
Царь православный,
Боже, Царя,
Царя храни!
[編集] 日本語訳
神よ、ツァーリを護り給え!
力強い、偉大なる、
栄光のうちに君臨し給え、
栄光のうちに我らに!
恐怖のうちに敵に君臨せよ、
正教のツァーリ、
神よ、ツァーリを、
ツァーリを護り給え!
[編集] 当初の歌詞
Боже, Царя храни!
Славному долги дни
Дай на земли!
Гордых смирителю,
Слабых хранителю,
Всех утешителю —
Все ниспошли!
メロディーはイギリス国歌と同じ。新しい国歌では2番歌詞として採用されている。