レーダー探知機
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レーダー探知機(-たんちき、Radar detector)とは、警察の自動速度違反取締装置(オービス)の場所を発見し、ドライバーに警報を出す装置である。自動車の場合はフロントガラスやダッシュボードに、オートバイの場合は車両本体に固定するか胸ポケットに入れて使う。機械自体は合法的であるが、違法行為(速度超過)を勧めるものではない。
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[編集] 概要
オービスから発射されるレーダー波(電波)を受信し、取締地点から数km手前よりチャイム音やLED点滅、文字表示などで運転者に知らせる。道路にセンサー(ループコイル)を埋め込むタイプや、光電管、ステルスタイプのオービスなど、GPS地点データを持たない、単機能のレーダー探知機では反応しない取締機も多いので過信は禁物である。また、レーダー波と商店の自動ドアから漏れる電波が周波数が似ているため、商店街などを通過する際にしばしば誤作動を起こす。
[編集] 付属機能
レーダー波以外の要素を併用した探知機も多く製品化されている。
- ソーラー機能
- リモコン機能
- 近年のレーダー探知機は高度な機能が数多く搭載されるようになり、機能設定のための切り替えスイッチや押しボタンを全ての機能に対して割り当てることが困難になってきた(レーダー探知機の小型化も一因)。そこで基本的な機能設定スイッチだけをレーダー探知機本体に残し、他の応用的な機能設定スイッチを別体のリモコンにしたタイプがある。
- GPS機能
- ループコイルの設置位置やNシステムの設置位置を座標データとしてあらかじめ記憶しておき、GPSにより自車の座標位置と照合することにより、警告を出すものである。ループコイル式や光電管式など電波を使わない自動速度違反取締装置に対応できるが、ループコイルやNシステムが新設・変更された場合には対応できない。なお、メーカーによっては会員制有料サービスにより、最新データのダウンロードサービスを提供しているものもある。
- カーロケ機能等
- 警察車両搭載のカーロケーションシステム発信電波や各種のデジタル警察無線、取り締まりの連絡に使う警察無線の有無を傍受するタイプなど。警察でよく使われる特定周波数の電波を検出すると警告を発するものが多い。
- 液晶表示機能
- 近年のレーダー探知機は高度な機能が増え過ぎ、単なる警告音では直ちに何の警告か判断が難しいことがある。そこで液晶表示パネルを備え、警告音に加えて警告表示を行うタイプが登場した。警告の必要のない通常時は、前述のGPS機能により車速や進行方向などを表示している。現在のところ、液晶表示機能の無いタイプに比較するとやや大型化する傾向がある。
[編集] 進化
最近発売されたユピテル、セルスターの機種はフルカラーELを搭載し、ドライバーにより分かり易く伝えることができるようになった。 今迄は音声のみの案内の製品が多く、一度聞き逃すと製品のランプで確認するしかない状態だったが、多機能化にわたりランプが非常に多く、 「今現在何の案内をしているのか?」が分かりづらかった。 だが、最近発売されたEL搭載機種は、グラフィカルな画像や映像を表示することにより、この弱点を克服している。 待機中は現在の速度、方角、緯度経度、時刻等を出す機能を搭載している機種もある。
[編集] 価格
単機能のレーダー探知機は、ホームセンターなどで3~5,000円程度から購入できる。現在主流のGPS機能付レーダー探知機は2~3万円台、特に高機能タイプには4万円を超える物もある。
[編集] 合法性
日本では電波は公共の財産であると認識されており、誰がどんな電波を受信しようと受信行為そのものは合法である。レーダー探知機による電波受信も、当然、合法である。なお、レーダー波は「特定の相手方に対する通信」ではないので、受信・利用しても盗聴には当たらない。
フランスではレーダー探知機(anti-radar)の所持・使用は違法とされており、実際に電源を入れて使用していた場合はもちろん、未使用の状態で保有していただけでも検挙の対象となり、当該機材没収の上最高3000ユーロの罰金が科される(実刑判決が出たケースもある)。