レッドハット
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レッドハット(Red Hat)は2003年現在、最大手のLinuxディストリビューションを製品として配付・販売・サポートしている会社の名称。米国法人のRed Hat, Inc.は1993年に設立され、日本法人のレッドハット株式会社は1999年に設立された。レッドハットの製品であるRed Hat Enterprise Linux または旧製品のRed Hat Linux(GNU/Linuxシステム)を示すことも多い。
オープンソースをビジネスとして展開しており、ソフトウエアは無料、サポートを有料としたビジネスモデルを持って来たが、近年はより高度なソフトウエアを有料で販売することもはじめている。
Linuxをその歴史の初期から、より一般的なユーザーが利用できるように、Linuxカーネルを中心に、GNUプロジェクト、BSD、X11等のソフトウエアを組み合わせて、ネットワークサーバ/ワークステーションとして使える形にLinuxの初期の頃から貢献して来た。
レッドハットのGNU/Linuxディストリビューション(以下 Red Hat Linux)自身は、コピーレフト (GPL) なソフトウェアを中心に構成されており、レッドハットが独自に製作したソフトウエアもコピーレフトで公開されていたため、Red Hat Linuxを元に作られた、他企業/グループによるLinuxディストリビューションが数多く存在する(例としては、SUSE・SCO・Turbo など)。
自分達が作ったものを、コピーレフトで公開することがビジネスとして成り立つことは考えにくかったが、他のRed Hat系が増えるにつれて、レッドハット自身もより成長しており、ビジネスモデルは正しかったと言える。山の裾野をわかちあうことで、山が大きくすることが出来て、結局自分の裾野も大きくなったと言うわけである。
Linuxのディストリビューションには、Red Hat系、Debian系、Slackware系などがある。RedHat系は、ソフトウエアパッケージの管理にRPM(Red Hat Package Manager)を使い、Debian系はAPTを使っている。なお、Debianは、Linuxカーネルと同様に中心となる企業が存在しないディストリビューションである。
なお、2001年に Red Hat系のCaldera、Conectiva、SuSE、Turbolinuxが集まって共同のGNU/Linuxの基本となるUnited Linuxが公開されているが、現在事実上活動停止の状態にある。この背景には、SUSE LINUX が Novell に買収されたり、SCO Group(旧Caldera International)による IBM 提訴などがあるとされる。「法的には存在しているが、明かりは消した」状態であると最近のニュースメディアでは報道された。
2003年のRed Hat Linux 9を最後にコンシューマ向けのRed Hatディストリビューションの販売・サポートを中止し、コンシューマ向けLinuxディストリビューションの開発をFedora Coreに移譲した。現在は、企業向けのRed Hat Enterprise Linuxを軸にサポート・教育などで収益を上げる会社になっている。
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