ミョルニル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミョルニル(Mjölnir)文字通り「打ち砕くもの」は、北欧神話に登場するトールがもつ鎚、ハンマー。トゥールハンマーとも。
このウォーハンマーはブロックとエイトリ(シンドリ)が作り上げたもので、多くの神話でトールはミョルニルをもちいて巨人を撃ち殺している。
ミョルニルを扱うためにはメギンギョルズという帯と、鉄製の籠手が必要で、トールとその息子のマグニくらいしか扱えない。 投げれば相手を打った後に再び手元に戻り、掲げることで雷を呼び出すこともでき、大きさも自在に変えることができるとされる。
『スリュムの詩』ではスリュムという巨人がミョルニルを盗み、フレイヤとの交換を要求した。
ミョルニルは相手を打つためだけに使われるものではなく、ソールの戦車を引く二頭のヤギ(タングリスニとタングニョースト)を食料として使った後に、生き返らせる際にもこの鎚を振るうと言う。
[編集] 文化
ミョルニルを象ったレプリカはスカンディナヴィアの広域でポピュラーで、結婚式をはじめとする祭式で使われる。 1925年頃のゴットランド(w:Gotland)では新婚家庭において、新婚夫婦に豊穣をもたらす為にベッドにこのレプリカが置かれたと言う。 キリスト教の伝来期においても、十字架に匹敵する程人気があり身につけられていた。
それ以後も、宝石店などで北欧神話に関心を持つ人々のためにアクセサリーとしてミョルニルのレプリカは売られている。