ミッキー・マントル

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ミッキー・マントル（Mickey Charles Mantle, 1931年10月20日 - 1995年8月13日）はアメリカメジャーリーグの元野球選手。オクラホマ州出身。"Mickey"は"Michael"の愛称であることがほとんどだが、彼の場合、祖父が当時人気のあった捕手ミッキー・カクレーンの大ファンであったことに因んでつけた本名である。

1951年にニューヨーク・ヤンキースの一員としてデビューして以降、1968年に引退するまで怪我との戦いでもあったが、ヤンキース一筋の野球人生を過ごした。メジャー史上最高のスイッチヒッターとして名高く、1956年には三冠王を獲得した。打点と通算安打数は後にエディ・マレーに破られたが、通算536本塁打は今もスイッチヒッターとしては最多である。また、ワールド・シリーズにおける通算18本塁打は今もメジャーリーグ記録である。

特に本塁打の飛距離は伝説的なものがあり、何本も推定飛距離170mオーバーを記録している。その一つが1953年4月17日、ワシントン・セネタース（現ミネソタ・ツインズ）の本拠地グリフィス・スタジアム（当時）で放った打球は、スタンドを飛び越えて遥か彼方の場外にまで飛び出して行った。球団広報が巻尺を用いて落下地点までの飛距離を計測した結果、なんと約172メートルも飛んでいたことが分かり、正式に記録された打球としては、これが現在でもメジャー史上最長弾となっている（この一件以降、大ホームランはテープメジャー・ショットと呼ばれるようになった）。 またマントル本人が「私の野球人生の中で最も強烈な打球」と言うのは、1963年5月22日にヤンキースタジアムでカンザスシティ・アスレチックス（現オークランド・アスレチックス）のビル・フィッシャー投手のカーブをとらえたもので、もう少しで大きなヤンキースタジアムのライトを越えそうだったという驚愕のものである。このホームランの推定飛距離は189mとも224mとも言われており、いかにマントルの飛距離が人間離れしているかが良くわかる逸話である。

また、マントルは俊足で、ドラッグバントも得意としていた。チームの試合スタイルが変わっていたら、30-30（30本30盗塁）どころか、40-40（40本40盗塁）もできていたと言われている。他にも現役時代は指名打者制度がまだなかった（導入されたのは1974年から）ため、もし導入されていればもっと長く現役生活を続けられていただろう。

しかし、私生活の面では暗い部分があり、祖父・父ともに早くして亡くなったため（2人ともオクラホマの鉱山技術者だった）に、早世の家系だと思い込んだマントルは、その恐怖を紛らわせるために飲酒に走り、選手生活の晩年には二日酔いの状態でバッターボックスに立つこともあったという。結局、その飲酒がマントルの現役生活や寿命を縮めたともされ、1995年8月13日に肝臓癌で亡くなることとなる。死の1ヶ月前、記者会見に臨んだマントルは、「私を見ている人は、どうか私の真似だけはしないでほしい」と言い残している。

1974年野球殿堂入り。マントルのつけていた背番号7は引退した翌年の1969年にヤンキースの永久欠番に指定されている。

[編集] 年度別打撃成績

年度	チーム	試合	打数	得点	安打	二塁打	三塁打	本塁打	打点	盗塁	四球	三振	打率	出塁率	長打率
1951	NYY	96	341	61	91	11	5	13	65	8	43	74	.267	.349	.443
1952	NYY	142	549	94	171	37	7	23	87	4	75	111	.311	.394	.530
1953	NYY	127	461	105	136	24	3	21	92	8	79	90	.295	.398	.497
1954	NYY	146	543	129	163	17	12	27	102	5	102	107	.300	.408	.525
1955	NYY	147	517	121	158	25	11	37	99	8	113	97	.306	.431	.611
1956	NYY	150	533	132	188	22	5	52	130	10	112	99	.353	.464	.705
1957	NYY	144	474	121	173	28	6	34	94	16	146	75	.365	.512	.665
1958	NYY	150	519	127	158	21	1	42	97	18	129	120	.304	.443	.590
1959	NYY	144	541	104	154	23	4	31	75	21	93	126	.285	.390	.514
1960	NYY	153	527	119	145	17	6	40	94	14	111	125	.275	.399	.558
1961	NYY	153	514	132	163	16	6	54	128	12	126	112	.317	.448	.687
1962	NYY	123	377	96	121	15	1	30	89	9	122	78	.321	.486	.605
1963	NYY	65	172	40	54	8	0	15	35	2	40	32	.314	.441	.622
1964	NYY	143	465	92	141	25	2	35	111	6	99	102	.303	.423	.587
1965	NYY	122	361	44	92	12	1	19	46	4	73	76	.255	.379	.452
1966	NYY	108	333	40	96	12	1	23	56	1	57	76	.288	.389	.538
1967	NYY	144	440	63	108	17	0	22	55	1	107	113	.245	.391	.434
1968	NYY	144	435	57	103	14	1	18	54	6	106	97	.237	.385	.398
Total	'	2401	8102	1677	2415	344	72	536	1509	153	1733	1710	.298	.421	.557

[編集] 獲得タイトル

• アメリカンリーグMVP:3回、1956年、1957年、1962年
• ゴールドグラブ賞:1回、1962年
• 首位打者:1回、1956年(.353)
• 最多本塁打:4回、1955年(37本)、1956年(52)、1958年(42)、1960年(40)
• 最多打点:1回、1956年(130打点)