ポーラ美術館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポーラ美術館 (-びじゅつかん) は、神奈川県足柄下郡箱根町仙石原にある、私立美術館である。財団法人ポーラ美術振興財団が運営している。館長は植木浩。
目次 |
[編集] 沿革・コレクション
ポーラ化粧品で知られるポーラグループオーナーであった鈴木常司が数十年に亘って収集した美術品約9500点を展示するため、2002年9月に開館した。
収集品の中核を成すのは19世紀以降の西洋絵画および近代日本絵画で、5つある展示室のうち3室がこれらの絵画にあてられている。残り2つの展示室のうち1室は中国および朝鮮半島の陶磁器、1室は化粧道具のコレクションにあてられている。
- 中国陶磁は、他の大コレクション(東京国立博物館の横河コレクションや、大阪市立東洋陶磁美術館の安宅コレクションなど)に比べ、数の点では一歩譲るが、質の面では決してひけを取らないものであり、国の重要美術品認定物件も4点含まれている。
- 化粧道具のコレクションは、化粧品メーカーのポーラにふさわしいものであるとともに、日本では他でほとんど見られない珍しいコレクションである。
[編集] 景観保護論争
建設にあたっては、箱根仙石原が国立公園内であり自然が残る地域であったことから、法的に建設が不可能ということではないが、自然保護を主張する住民によって反対運動があった(1997年5月2日朝日新聞参照)そこで、環境・景観保護の観点から、当初計画より建物の高さを抑えるなどし、美術館の建物はその主要部分が地下に構築されている。
[編集] 主な収蔵品
- ルノワール『レースの帽子の少女』(1891年)
- モネ『睡蓮の池』(1899年)
- セザンヌ『砂糖壷、梨とテーブルクロス』(1893-1894年)
- シャガール『私と村』(1923-1924頃)
- ゴッホ『アザミの花』(1890年)
- パブロ・ピカソ 『海辺の母子像』(1902年)
- 岡田三郎助『あやめの衣』(1927年)
- 杉山寧『洸』(1992年)