ペニー・ブラック
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ペニー・ブラック (Penny Black) とは1840年にイギリスにおいて発行された世界最初の郵便切手の通称である。
バスのパーキンス・ベーコン社で印刷、1840年5月1日にイギリス郵政省から発行され、同月6日から使用が開始された2種類の切手のうちの1ペニー切手をさす。
刷色は黒色で、図案にはヴィクトリア女王の横顔が印刷されている。この切手は240面のシートで、切手の下左右角に記載されたアルファベットでその切手がシートのどこにあったのか、分かるようになっている。(上の画像ではMH。)また切手が黒だったので消印は赤で押され、マルタ十字をあしらった物が採用された。
なお、翌年1ペニーの切手は赤茶色(ペニーレッド)に変わり、このときに消印も黒になった。色が変更された理由は、黒色のインクが化学変化に強いことから、消印を抹消して再利用するなどと言った事が横行したからだといわれている。
ペニー・ブラックやペンス・ブルーで赤消しの物は初期使用例である。ペニー・ブラックの版は第1版から第11版まで、また1版には2つの種類があり、全部で12の版が存在する。
ペニー・ブラックは現在でもかなりの数が存在しているが、コレクターの人気が高く非常に高価である。2000年時点では使用済みのペニー・ブラック一枚が200ドル程度、未使用のものになると3000ドルほどであった。それに対して使用済みのペニー・レッドは3ドルほどである。