フラッシュバック (心理現象)
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フラッシュバックとは、過去の経験を突然鮮やかに回想する心理現象である。フラッシュバックという用語は過去に起こった記憶で、その記憶が無意識に思い出されかつそれが現実に起こっているかのような感覚が非常に激しいときに特に使われる。フラッシュバックは必ずしもイメージ、映像及び音が存在するとは限らない。記憶には感情の要素もあるため、フラッシュバックは感覚の衝撃として発生し得る。フラッシュバックの瞬間、体験者は出来事と関連した全ての感情を経験する。
フラッシュバックは、幼児期に経験した外傷体験を言語的に認識する能力を持たないまま記憶し、それでもなお忘れられないために起こる。この、外傷体験を当初から取り込むことに失敗する現象のことを解離という。この記憶はまともに意識に上らないため、時間に抵抗し変造加工が困難である。また、それゆえにフラッシュバック性の記憶はその鮮明さにも拘らず言語化が困難でもある。さらに時間とともに霞がかからずむしろ原記憶よりも鮮明さは増す傾向が強い。
幼年期のトラウマの体験者は、これらの感情的記憶を意識化しないまま持っている可能性もあり、そしてフラッシュバックにおいてそれらを再経験する可能性がある。このような記憶は他には覚醒剤中毒者らが断薬後数十年を経て少量の覚醒剤により過去の記憶がまざまざと蘇る事などが挙げられる。
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