フィルムツーリズム
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フィルムツーリズムまたは、シネマツーリズムとは、映画やドラマなどの舞台となったロケ地、原作地をめぐる旅を指す。
地域に依っては、言葉のイメージからシネマツーリズムを使用するケースも多々ある。
[編集] 概要
フィルムツーリズムは1960年代から既にあったが、その撮影地の殆どが既存の観光地等で、あまり注目されることはなかった。しかし、既存の観光地に於ける入り客の減少などから、観光資源としても見直され、2000年頃から旅行プランにも組み込まれる様になった。
特に、尾道三部作や「世界の中心で、愛をさけぶ」など、既存の観光地以外で撮影された作品がヒットすると、その地域には観光客が新たに訪れるなどの現象が見られ、このニーズに応えるため観光プランや観光戦略、観光案内などが作られる様になった。
フィルムツーリズムは新作、旧作に関わらず行われている。特に年配者は、1960年代の映画撮影地を巡ることが多く、若い世代は近年の映画、ドラマの撮影地を巡ることが多い。
社団法人日本観光協会でも、2000年にフィルムツーリズムを産業観光、エコツーリズム、フラワーツーリズム等とともに「新しい観光」ととらえ、振興を図っている。
フィルムツーリズムの場合、熱狂的なファン等の旅行ではなく、ちょっと行って程度の気軽な旅行と言う物が多い。特に近年、旧作のDVDなどが発売されると、映画などの気分を味わうために旅行を行うわけである。
[編集] 新作映画・ドラマの誘致活動
ロケ地、原作地が話題を呼び、観光客が押し寄せる現象が見られるところから、映像を地域のPRの手段と捉えて、自分たちの街や地域を映像に収めてもらおうと、ロケ撮影を誘致し、また作品完成・公開後はロケ地を観光資源として広くPRすることによって、観光客の誘致を図ろうとする動きが2000年頃から盛んになった。
ロケ地誘致や、ロケ活動の支援を担う「フィルム・コミッション」(FC)が、観光協会等の行政の観光担当部署を中心として組織されている。このほか、ロケ地マップの作成や、ロケ地をめぐるモデルコースの設定等が行われている。