パトロール艦 (宇宙戦艦ヤマト)

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パトロール艦（パトロールかん）は、SFアニメ『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの『さらば宇宙戦艦ヤマト』及び『宇宙戦艦ヤマト2』に登場する量産型宇宙戦闘艦である。以下は劇中の設定。

パトロール艦は対ガミラス戦役後、消耗しきった宇宙艦隊の再建に追われた地球連邦政府が急遽建造した量産型宇宙戦闘艦である。西暦2200年当時の地球は文字通り丸裸の無防備状態であり、宇宙戦闘艦艇の緊急大量整備は、荒廃した地球の再生（テラ・リフォーミング）と並んで最優先事項の一つであった。

波動エンジンを主機関として採用しており、対ガミラス帝国戦役以前の宇宙戦闘艦とはあらゆる面で比較にならぬ性能を有する。

艦体の基本は巡洋艦であるが、ノーマルの重巡と較べ、特に探査索敵能力が強化されており、主に太陽系外周宙域の哨戒任務に用いられ、その役割から通称パトロール艦と呼称される。

『さらば宇宙戦艦ヤマト』では土方竜が第11艦隊の司令として乗艦していた。艦名は「ゆうなぎ（夕凪）」である。

艦の外観は、円錐－葉巻型に分類される。これは同時期に建造された他の宇宙巡洋艦、護衛艦、駆逐艦と同様である。この形は正面から見た前面投影面積を極限まで減らすことで被弾を避けることを主眼に採用された形である。このことはこれらの艦の設計主任である宮武一貴工学博士の信念でもあった。よってこの種の艦の戦闘法は、敵に艦正面をむけての砲撃戦が主流となる。そのため火器はほとんどが前方を指向したものとなっており、これは一種の突撃砲艦である。また単純なデザインであることからブロック工法などの大量建造向きであるといえよう。

実質軽巡であるので、その（事実上の）最大速力、加速力は戦艦よりも優れている。艦の前半部は兵装ブロックであり、後半部ブロックのほとんどは波動エンジン搭載スペースで占められている。艦の大きさに対して波動エンジンの占める割合は大きい。

ノーマルの重巡との大きな違いは、艦底中央に突出するマストに増設されたレーダー、アンテナ、センサー類である。また同じく、艦後部上面と艦橋にも不釣合いなほど多くのものが施されている。

主砲は中口径の15.5cm連装衝撃砲（ショックカノン）を艦体前部上面に2基、前部下面に1基、合わせて計6門装備している。これらは後方には指向できないが、この艦の設計思想（兵装の前方集中配置）からすれば特に問題とはされなかったようである。ヤマトなどの戦艦に搭載される副砲と同等の攻撃力である。

艦体の側面には埋め込まれるように、3つ束になった細長い管が4基、装備されているが、これは前方のみを指向した固定式の3連装衝撃砲であるという説と、他に、巡洋艦クラスであることから、これは旋回可能な3連装（宇宙）魚雷発射管であるという説がある。魚雷発射管の場合、艦体に埋め込まれた状態から、持ち上がってから旋回するものと考えられる。なお宇宙魚雷とミサイルの違いは判然としない。

宇宙巡洋艦、護衛艦クラスの戦闘艦の艦首先端の兵装が何であるかは、波動砲説と、大口径衝撃砲（ショックカノン）説の2説に見解は分かれている。波動エンジン搭載艦なので、原則的には波動砲の搭載も可能であるが、もし波動砲である場合、集約型か、拡散型か、どちらであるかもわからない。西暦2201年当時の連合宇宙艦隊の戦術ドクトリンが「全艦の拡散波動砲の一斉射撃による敵殲滅戦」であったので、拡散型である可能性は高い。本編では使用されていないため、その正体、威力は不明である。

これらの円錐-葉巻型艦艇の一部は対白色彗星帝国戦役を生き残り（他にも戦役時にはまだ建造途中で戦役後就役したものや、追加建造された艦も含む）、その後も運用され続け、「ガルマン・ガミラス帝国とボラー連邦星間紛争」時にもその存在が確認されている。藤堂平九郎地球防衛軍長官の乗艦でもあるようだ。

対白色彗星帝国戦役後、壊滅した宇宙艦隊の再建計画と消耗した人員の養成計画が立てられ、これらの旧式となった円錐-葉巻型戦闘艦艇はそれらの新造艦艇が就役する（『ヤマト3』・『宇宙戦艦ヤマト完結編』の頃）までの間（『新たなる旅立ち』・『ヤマトよ永遠に』の時期）の穴埋めの役目を、無人機械化艦隊と共に担ったのである。

[編集] 諸元

全長150m（異説として全長180ｍ）
全幅26.6m（異説として全幅31.5ｍ）
自重5900ｔ（異説として自重23500t）
武装
- 艦首波動砲、異説としては大口径衝撃砲（ショックカノン）×1門
- 主砲:　15.5㎝連装衝撃砲（ショックカノン）×3基、計6門
- 三連装固定式衝撃砲（ショックカノン）あるいは三連装魚雷発射管×4基、計12門
- ミサイル発射管×4門