パイロットウイングス
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パイロットウイングスは、1990年12月21日に任天堂からスーパーファミコン用ゲームソフトとして発売されたスカイスポーツシミュレーションゲーム。
当時、登場したばかりのスーパーファミコンの目玉であった回転・拡大・縮小機能を駆使し、デモンストレーションソフトとしても大きな役割を果たした。プロデューサーは宮本茂、横井軍平。続編のパイロットウイングス64がNINTENDO64で発売されている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ゲーム概要
主人公はフライトクラブに入会し、軽飛行機(ライトプレーン)、スカイダイビング、ロケットベルト、ハンググライダーの四種を、課題をクリアしていきながら上達を図っていくゲームである。コースは大別して4つ。全ての種目が終わった時点で規定の点数に達していればライセンスが貰え次のステージに進むことが出来る。
スカイダイビングとロケットベルトでは、移動式のターゲットへの着地に成功するとボーナスステージとなり、100ポイント+αの点が得られる。 ハンググライダーでもボーナスステージは存在するが、移動式ではなくスカイダイビングとロケットベルトのターゲットへの着地に成功することでボーナスステージとなる。
4つのコースを修了すると、なぜか突然教えを請うた教官たちが麻薬シンジケートに囚われたために、ミサイル搭載の軍用ヘリでアジトに突入するモードに突入する。主人公に拒否権は無い。一発被弾したら即座にゲームオーバーという非常にシビアなモードとなっている。
このミッションをクリアすると今度は、前述と同じエリア、同じ教官で降雪、降雨、強風、夜間にアレンジされ、難易度がさらに上がった各エリアが待ち受けている。
それが終わると最終ミッションとして、再び軍用ヘリミッションを拝命する。今回は夜間ミッション。前回を遥かに上回る苛烈な対空砲火を潜り抜け、前回同様目的地ヘリポートへの着陸を目指す。
[編集] その他
このゲームには、ロム内にDSP-1という拡張チップが使われ、スーパーファミコン本体以上の映像技術を使用している。DSP-1は、他にもスーパーマリオカート等に使われている。
スカイダイビングで、パラシュートを開かずにそのまま地面に特攻するのはお約束である。ちなみに、教官にちょっと怒られるだけで次の種目に即座に挑戦できるため、プレイヤーの身体には全く問題がないようである。
4面をクリアするとタイトル画面が変わり、夕暮れ時の街を見下ろしたような画面になる。この画面の美しさが印象に残っているファンも多い。
この時期の任天堂ソフトは独特なマニュアルセンスが光っており、本作もフライトクラブへの案内状という体裁を取っている。当のフライトクラブは戦闘ヘリを所有し某国との軍事的な繋がりを感じさせるなど、傭兵養成機関の性格を持っているため、これ自体高度なブラックユーモアなのかも知れない。
ゲーム内容は地味ながらも好評であったが、人気シリーズであるスーパーマリオワールドや、派手なF-ZEROの陰に隠れてしまい、売り上げ自体は任天堂の予想を下回った。 発売後しばらくして、「飛ばず嫌いになっていませんか?」という広告がゲーム雑誌に載せられた。