バックドロップ
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バックドロップはレスリングやプロレスで用いられる投げ技、スープレックスの一種。日本では岩石落としとも呼称される。 大正時代エド・サンテルが柔道の裏投げを弟子のティヤシュ・ラヨシュに伝え、ティヤシュ・ラヨシュが改良を加えて完成させた。このラヨシュは英語ではアロイジャス・マーティン・ルー・セスと名乗っており、これが日本で誤読されルー・テーズとなった。
ただし、これ以前からレスリングではブリッジを活かしたバック投げが一般化しており、こちらがルーツであると言う見解も有力である。
古くからの日本のプロレスラー(現在では天龍源一郎ら)やオールドファンは、バックドロップ自体のことを「ルーテーズ」と呼ぶ。
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[編集] 解説
背後から相手の腋下に頭を入れ、両腕で相手の腰を抱え込んで持ち上げ、そのまま後ろに倒れ込んで、相手の肩から頭部にダメージを与えるもの。
[編集] 有名な使い手
主にグレコローマンレスリング出身の選手が使用する。
バックドロップの祖として有名なのはルー・テーズ。真後ろにブリッジを組むかのごとく反り返るために「ヘソで投げる」と形容される。(なおテーズ談に真後ろに投げるのではなく、自分の体を捻って相手の肩を脱臼させる危険な投げ方を2回行ったとのこと。)アントニオ猪木も現役時代に得意としていた。ジャンボ鶴田は「ルー・テーズばりのバックドロップ」と言われた。現役のプロレスラーでは、後藤達俊、川田利明、スティーブ・ウィリアムス、渕正信、森嶋猛、山本尚史など使い手が多い。
[編集] 派生技
この技は色々と加味されていて、派生技が多いのが特徴である。少しでも体勢が違えば別の技とされるプロレス界においては珍しく、どれもバックドロップと呼ばれている。
[編集] 抱え式バックドロップ
相手の股をすくい上げるようにして落とすため、ブリッジはきかせない。坂口征二、ドリー・ファンク・ジュニアが用いた。小橋建太はすくい上げた体勢から数秒間停止し、タメをつくって落とす。
[編集] 捻り式バックドロップ
長州力やマサ斎藤が使い手で、高く持ち上げると同時に捻りを加えて落とす。ブリッジを利かせないため、テーズは評価していない。
[編集] 殺人バックドロップ
スティーブ・ウィリアムスの必殺技。デンジャラスバックドロップとも呼ばれる。自らの肩口に相手の腰を載せる形で投げる。ウィリアムスのブリッジがあまりきかないことから結果的に相手は垂直に落下する。 これに触発されて、川田利明もこれに近いバックドロップを繰り出すようになる。ウィリアムスのニックネームが「殺人医師」であることに由来する。ウィリアムス以外のレスラーが使用する場合は、垂直落下式バックドロップと言われることがある。後藤達俊が使用する場合も、この呼び名が用いられる場合がある。因みに1993年8月31日に小橋健太と対戦したウィリアムスが繰り出した殺人バックドロップが、まさにパイルドライバーで打ち付けるかのごとく90度で小橋を首から叩き付けた為、この時、実況を担当した佐藤啓が即興で「バックドロップ・ドライバー!」と叫んだことがある。
[編集] 高角度バックドロップ
後藤達俊の必殺技。後藤曰く、長州式とテーズ式の長所を取り入れたもので、高く持ち上げ、ブリッジで垂直にリングに突き刺す。当初はクラッチの位置が通常よりも高いため、体を丸められず衝撃を逃がすことが出来なかった。そのためこれを食らった馳浩が一時的ではあるが心停止にまで追い込まれたほどの危険極まりないものである。この事件があってからはクラッチを通常のバックドロップと同じ位置にしている。現在は後藤の他、後藤から直々に教えを受けた山本尚史も使用する。
[編集] バックドロップホールド
ジャンボ鶴田や永田裕志が使用する、相手を落とした体勢のままピンフォールを狙うもの。
[編集] 足抱え式バックドロップホールド
小川良成の使うバックドロップホールド。
[編集] 旋回式バックドロップ
三沢光晴が使用していた、最高点で旋回してから落とすバックドロップ。
[編集] アストロマンドロップホールド
渡辺智子の使うクロスアーム式の変形バックドロップ
[編集] 肩車バックドロップ
相手を肩車した体勢で後ろに落とす。
[編集] 切り返し方
- 投げられた後、空中で体を返して押しつぶす
- タイミングを計って、投げられる瞬間に後方に一回転してマットに着地する
- ロープに近い場合は、トップロープに脚をかけて勢いをつけて相手の後頭部を叩きつけることもある。
- 投げられる寸前、相手に足をかけて自由を奪い、そのまま後ろにたたきつける…力道山がルー・テーズのバックドロップへの対処法として相撲技の河津掛けを応用して編み出した。また独立した技としても使われ、そのまま自分諸共相手を倒した場合は河津落としと呼ばれる。ジャイアント馬場が得意にした。