宇宙遊泳
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宇宙遊泳(うちゅうゆうえい, 英語:spacewalk)は、宇宙服を着た宇宙飛行士(船外活動員)が宇宙船の外に出て活動すること。 船外活動 (Extra-vehicular activity; EVA)とも呼ばれる。
[編集] 宇宙遊泳の記録
- 1965年3月18日、旧ソ連のアレクセイ・レオーノフ飛行士がボスホート2号で人類初の宇宙遊泳を果たした。
- 1965年6月3日、エドワード・ホワイト飛行士がジェミニ4号においてアメリカ人初の宇宙遊泳を果たした。
- 1984年2月7日、ブルース・マッカンドレス飛行士がスペースシャトル、チャレンジャー号のSTS-41-Bにおいて、初めて繋留紐なしで宇宙遊泳を果たした。
- 1984年6月25日、旧ソ連のスベトラーナ・サビツカヤ飛行士がサリュート7号で女性初の宇宙遊泳を果たした。
- 1997年11月25日、土井隆雄飛行士が日本人初の宇宙遊泳を果たした。
- 船外活動の最長記録は8時間56分で、スーザン・ヘルムズによる。
- スペースシャトルを飛行中に修理した、最初の船外活動は、2005年8月3日にアメリカの宇宙飛行士スティーヴ・ロビンソン飛行士によってなされた。
[編集] 船外活動の危険性について
船外活動の危険として、まず、スペースデブリとの衝突が挙げられる。スペースシャトルなどの船外活動で典型的な地球上空300kmにおける軌道速度は、7.7km/sである。これは、通常の弾丸の速度の約10倍である。したがって、弾丸の100分の1程度の、例えばペンキのかけらが、弾丸と同じ運動エネルギーを持つことになる。あらゆる宇宙空間での活動によって、この種の破片が発生しうるため、破片が衝突しあってさらに破片をうむケスラー症候群のような問題が懸念される。
危険性の高い理由の一つは、船外活動の環境が任務の前にシミュレーションするのが難しいということにある。宇宙遊泳は、その危険性のため、ルーチンワークにはなりえない。その結果、船外活動はプロジェクトの最後に予定され、たとえプロジェクトの実行中であっても、問題が発見されれば中止される。船外活動の危険性は、必然的に宇宙飛行士への心理的なプレッシャーとなる。
他の問題としては、宇宙船から離れることや、スーツを減圧する宇宙服のパンクなどがありうる。宇宙服がパンクした場合、速やかに与圧した船内に退避できなければ、無酸素と減圧により死にいたる危険がある。
[編集] 関連項目
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