バイオニューラルデバイス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バイオニューラルデバイスとはゲーム『フロントミッション』に登場する架空の兵器。また、派生した技術の総称。
目次 |
[編集] 概要
シリーズの原点にして、ハフマン島しいては全世界を覆うことになる悪夢のひとつとも言える技術である。最初のバイオニューラルデバイス「B型デバイス」は人間の脳そのものを機械の部品とするという人道の箍を外れた研究であり、まさに人類に対する冒涜と言ったものである(事実、「悪魔の真似事」という発言も確認されている)。また、数多くの勢力に彩られ暴露こそなったものの全体像を見ることが叶わぬ事項でもある。
サカタインダストリィ事件の公表により、それまでも闇で行われるしか無かった研究は止めを刺され、人間の脳を使用したB型デバイスは永久に葬り去られた。しかし、ヴァンツァーの発展はCOMの発展と言い換えることも出来るため、間接的であれこの技術の恩恵を受けたものは多い。人間の記憶を機械にフィードバックさせるという発想自体は生きているのである。
[編集] B型デバイス
人間の脳を生体コンピューターとする研究は紛争以前より各国で行われており、当初は胎児の脳を記憶装置として使用することを模索していた。が、後に訓練した兵士の脳をデバイスとすることによって、生前の兵士の経験をそのままWAPの制御に生かそうという発想のもとB型デバイスの開発が開始される。
ただし、B型デバイスは高い性能を示す一方、製造に熟練兵士を犠牲にせねばならず、また動作が不安定(最悪の場合暴走)という欠陥を抱えていた。よって、実戦テストの場と多くの被献体が求められ、それに応えて起こされたのが第二次ハフマン紛争である。両軍共に多数の将兵を失ったこの戦争の陰では相当数の兵士が人知れず消えていった。
[編集] ニルバーナ機関
第二次ハフマン紛争時、USN側からデバイスの研究開発が行われていた秘匿機関。責任者であるUSN陸軍大尉ドリスコルのもと「B型」「S型」デバイス開発を推し進めた。また独立した部隊を持ち、献体(マテリアルと呼称)の選抜・捕獲を行っていた。よって、第二次ハフマン紛争の勃発・経過に深く関わっている。紛争時、多大な戦果を上げた「キャニオンクロウ」はOCU側からマテリアル候補となる兵士を集めた部隊であり、同司令はニルバーナと協力関係にあった。同じくUSN側からはケビン・グリーンフィールド少尉がS型デバイス候補者に選抜され、機関の監視のもと泳がされていた。
デバイスの研究はOCU(サカタインダストリィ)・USN(ニルバーナ機関)・ザーフトラの三(五?)者の一部軍関係者等により行われ、この三者は共謀の関係にあった。ただし、必ずしも足並みを揃えていたわけではなく、OCU軍関係者の研究は他三者に比べて相当に遅れていた。また、前身が製薬会社であったため、この手のノウハウがあったと考えられるサカタはWAP開発に参入して間もなく、同デバイスに基づく開発計画「メタルワーカープロジェクト」を始動させていおり、ニルバーナとは密接なつながりがあった。
ただし、USN一部軍関係者とニルバーナは必ずしも良好な関係にあったわけではなかった。一方ザーフトラは一貫して独自の研究を行っていたようであり、ニルバーナに資金援助及び人員の配置を行い、実質的に手中に入れていた。複雑な国家体制に裏打ちされ一貫した行動の取れない二大国に比べこの点から、全体を主導する立場にいたことは間違いない。
[編集] S型デバイス
前述のようにB型は人間の脳自体を取り扱う技術であり、その弊害は大きかった。そこで、開発されたのがS型デバイスである。サカタ社とドミトーリ公社はB型と並んで開発を進めていたようだが、経緯は不明。B型デバイス対応機体に搭乗する際には転換手術を受ける必要があったと明言されていたため、外科的手法が使われた両デバイスはある程度並行して進められていたと考えられる。
B型の禁止により、本来そこから派生した技術「S型」は更なる発展を遂げ、「脳にある装置を埋め込むことでヴァンツァーとの一体化を図る」方向で研究が進められていった。デバイス転換手術を受けた者は拉致により無理矢理転換させられた者もいれば自ら望んで転換した者もいる。前者のケースは第二次ハフマン紛争に、後者は紛争以後に多く見られる。
2121年頃にはS型転換手術者にマイクロマシンによる治療が施され、まもなくS型デバイスは歴史の闇に葬り去られることとなった。
[編集] バーゲスト
USN政府直属の対テロ部隊。SOCOM直轄特殊機甲分遣隊、通称バーゲスト。
構成員の大半はS型転換者であり、隊長である「ヘクター・レイノルズ」も第二次ハフマン紛争の最中に実験体としてS型の転換手術を受けている。しかし、「ウォルター・フェン」のようにS型転換手術を受けてはいないがS型とほぼ同等の技量を持つ非転換者も僅かではあるが属している。
2112年7月9日のアラスカでのM.I.D.A.S.暴走事故以降、バーゲストは編成の見直しが行われS型転換者は部隊からの完全排除が決定した。
[編集] グリムニル
テロ組織とされるが、政治的目的に基づき活動しているわけではなく、標榜する理念は公式にないとのこと。指導者はデバイスの基礎理論を作った男「モーガン・ベルナルド」であり、無理に言えば組織は彼自身とも言える。
同氏は第二次ハフマン紛争時より暗躍し、両軍兵士を誘拐。被献体を得ていた。当時、USNしいてはザーフトラが主導する計画において、どれほどの存在感を示したかは疑問であるが、その影響力はけして小さくなかったと考えられる。
後にBD計画が潰え、S型全盛の世になるとOCU勢力圏内で活動を活発化させる。
[編集] 主な被験者
- カレン・ミューア(B型)
- ドリスコル(S型)
- リン・ウェンライト(S型)
- ヘクター・レイノルズ(S型)
- グレン・デュバル(S型)
[編集] B型・S型対応ヴァンツァー
- 90式・シリーズ
- レイブン
- グラシリス
- テラーウルフ
- シーキング型
- グローニング型
- ミール・オルディン
- T-1 ブルータルウルフ
- T-X ダイアウルフ