トロヤ群
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トロヤ群(トロヤぐん、Trojan asteroid)とは木星の公転軌道上の、太陽から見て木星に対して60度前方あるいは60度後方、すなわちラグランジュ点付近を運動する一群の小惑星のこと。
トロヤ群に属する小惑星は2004年9月現在、1679個(L4のもの1051個、L5のもの628個)が確認されている。トロヤ群の名前は、この群に属する小惑星で最初に発見(1906年)されたものにギリシア神話のトロイア戦争の勇士であるアキレウスの名前が付けられた((588)アキレウス)ことに由来し、以後この群に属する小惑星にはトロイア戦争に登場する兵士の名前が付けられている。
ちなみに、L4に位置する(つまり木星に先行する)小惑星を「ギリシャ群」、L5に位置する(つまり木星に追随する)小惑星を「トロヤ群」と呼んで区別することがある。実際、「ギリシャ群」にはギリシャ軍の兵士、そして「トロヤ群」にはトロイア軍の兵士の名が付けられている。
ただし、(624)ヘクトルはこれらの区別が行われる前に命名されたので、由来となったヘクトルがトロヤ側にもかかわらず「ギリシャ群」に位置する。
火星や海王星の軌道上にも同様の小惑星が発見されている。なお、海王星のトロヤ群はエッジワース=カイパー・ベルト天体が海王星の重力に捕らえられたために現在の軌道になったと考えられている。地球においては現時点では発見されていない。なお、(3753)クルイシンは軌道が地球のL4とL5と重なり、地球と1対1の共鳴軌道であることがわかっている。これは特殊なタイプのトロヤ群であるとも言える。
なお、土星の衛星の間にも同様の関係を持つもの(テティスに従うテレストとカリプソ、ディオネに従うヘレネ、ポリュデウケス)が発見されており、Trojan moonsと呼ばれている。
[編集] 主要なトロヤ群小惑星
- 木星のトロヤ群
- ギリシャ群…詳細はen:List of Trojan asteroids (Greek camp)を参照。
- (588)アキレウス
- (624)ヘクトル…トロヤ群最大の小惑星(370×195km)。上記参照。
- (911)アガメムノン
- トロヤ群…詳細はen:List of Trojan asteroids (Trojan camp)を参照。
- ギリシャ群…詳細はen:List of Trojan asteroids (Greek camp)を参照。
- 火星のトロヤ群(3個)
- 1999 UJ7…L4
- (5261)エウレカ…L4
- 1998 VF31…L5
- 海王星のトロヤ群(4個)
- 2001 QR322…L4
- 2004UP10…L4
- 2005TN53…L4
- 2005TO74…L4
[編集] 外部リンク
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