トラテロルコ条約

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トラテロルコ条約 (英語： Treaty of Tlatelalco、スペイン語： Tratado de Tlatelalco) とは、1967年 2月14日にラテンアメリカ14ヶ国が調印した中南米地域の核兵器の実験・使用・製造・生産・取得・貯蔵・配備等を禁止する条約である。正式名は「ラテンアメリカにおける核兵器の禁止に関する条約」 (Treaty for the Prohibition of Nuclear Weapons in Latin America)。1968年 4月22日に発効した。トラテロルコは条約式が行われたメキシコ外務省の所在地名である。

このような条約は非核化条約と呼ばれる。人が住む地域で結ばれた非核化条約の中ではトラテロルコ条約が最初のものである。

[編集] 背景

1962年10月にキューバ危機が起こり、カリブ海が極度の軍事的な緊張状態となった。この事件を契機にラテンアメリカの非核化が模索された。事件直後の12月の国連総会で、ブラジル、ボリビア、チリ、エクアドルの４ヶ国からラテンアメリカ非核化決議案が提出され、メキシコも加って1963年4月にラテンアメリカ非核化に関する共同宣言を発表した。この内容をもとにメキシコ主導で条約作成作業が行われ、1967年にラテンアメリカ14ヶ国がトラテロルコ条約に調印した。

[編集] 内容

31条の条文からなる。

締約国領域内における核兵器の実験・使用・製造・生産・取得・貯蔵・配備等の禁止を主な内容とする。

ただし、平和目的の核爆発は容認している。これは、トラテロルコ条約より後に現れる他の地域の非核化条約と異なる点である。当時の時代背景として、大規模な土木事業で平和目的で原爆が使用可能かどうかをまだ探っていたためだった。その後に登場する核拡散防止条約 (NPT) で核爆発を伴う核エネルギーの民間利用を制限する方向へと向かった。

締約国に対し核兵器の使用または威嚇を行わないことを規定し、核保有国への参加を求めている。これは、付属議定書１、付属議定書２で記されている。

付属議定書１では、ラテンアメリカ地域に属領をもっている旧宗主国に対して、この地域での非核化を求めた。イギリス、オランダが1971年までに批准し、ついでアメリカ合衆国、最後に1992年にフランスが批准した。

付属議定書(2)では、核保有国に対して、条約加盟国地域での核兵器の使用や核兵器による威嚇をおこなわないを求めている。核保有国5大国については、1974年までにイギリス、アメリカ、フランス、中国が批准し、ソ連も1979年に批准を完了した。

核兵器の通過（艦船の移動や運搬）については規定がない。

？パナマ運河は核搭載艦船の通過が可能なのか

[編集] 経過

当初、東西冷戦時代に東側陣営に加わっていたキューバは条約には参加しなかった。また、条約調印後も長い間、アルゼンチン、ブラジル、チリなど主要国の発効が遅れていた。

1967年 2月14日 14ヶ国が調印。

ボリビア、エクアドル、メキシコ、アルゼンチン、ブラジル、チリ、パナマ、ニカラグアなど。

1968年4月、条約が発効。21ヶ国が署名。

1971年までにイギリス、オランダが付属議定書１を批准。
1979年までに核保有5大国 (アメリカ、ソ連、イギリス、フランス、中国)が付属議定書２を批准。
1981年11月、アメリカが付属議定書１を批准。

その後、トラテロルコ条約はカリブ海諸国にも拡大した。1990年に条約の正式名称が「ラテンアメリカ及びカリブ海域核兵器禁止条約」（The Treaty for the Prohibition of Nuclear Weapons in Latin America and Caribbean）と改正された。