トヨタ・トヨエース
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1954年、SKB型として登場し、1956年にトヨエースの愛称が付く。以来今日に至るまでトヨタの小型トラックの主力車として販売されている。
それまで戦後の自動車の主役であったオート三輪市場を駆逐し、トラック市場の新しい時代を切り開いた画期的なクルマ。当時の日本の自動車販売はトラック市場がほとんどであったため、これは日本の自動車業界にとって非常にセンセーショナルな出来事だった。
1985年登場の5代目モデルからはダイナ(2トン積み1959年~)と双子車となる。トヨエースは長らく1tクラスのみの構成だったが、これにより2-3tクラスもバリエーションに加わるようになった。
1999年に登場した現行モデル(7代目)は、ダイハツデルタのトラックとしてOEM供給される。従来よりデルタのOEMであった日野自動車のデュトロもこの時点で姉妹車となる。(デルタは現在国内での供給を中止し海外のみでの販売となっている。)
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[編集] 歴代モデル
[編集] 初代(1954-1959年)
- 1954年 SKB型として登場。
立川飛行機からトヨタに転じた長谷川龍雄が開発主査。(長谷川はのち初代パブリカ、初代カローラ、初代セリカを世に送り出し、常に新境地を開拓した。)
『東大航空科先輩の長谷川さんの力作であって、戦後のモータリゼーションに大きな新しい波を投じた車であった、というべきであろう。サイドバルブ直4水冷の簡単な構成のエンジンをセミ・キャブオーバー型のシャーシに配した、スッキリとした形の小型トラックの原点とでもいうべきクルマであった。』『トヨエースの出現によって、それまで現役として第一線を保っていた三輪トラックの市場が、急速に崩壊してゆくことになってしまったのである。』と、ホンダで第一期F1監督を務め、のちホンダ常務となった中村良夫が、自著『クルマよ、何処へ行き給ふや』で触れている。中村自身が当時設計部および研究部の次長を務めていたくろがね工業で新型オート三輪を出そうとしていた矢先であったが、トヨエース登場により市場が縮小し、開発していたクルマが発売できなかっただけでなく、会社自体も下請企業に転身せざるを得ず、部下の再就職を斡旋しつつ自身もホンダに転身する契機となったという。
- 1956年 トヨエースの愛称が付く。
この時期トヨタはトヨエースで成功したが、マスコミからは『乗用車の日産自動車、トラックのトヨタ』とも評され、乗用車での成功を目論むトヨタには痛し痒しの状況だった。
[編集] 2代目(SK20型 1959-1971年)
- 1959年 モデルチェンジ
[編集] 3代目(#Y10系 1971-1979年)
- 1971年 モデルチェンジ
[編集] 4代目(1979-1985年)
- 1979年 モデルチェンジ
[編集] 5代目(1985-1995年)U80~90系(2t~3.5t積)
- 1985年 ダイナと共通化
[編集] 6代目(1995-1999年)
Y100系(1t~1.5t積)U100~200系(2t~3t積)FB4J・5B系(3t~3.5t積)
96年にハイエーストラックが製造中止となる。
[編集] 7代目(1999年-)
パーキングブレーキハンドルがステッキ式からレバー式に変更される。
- 2001年1t車フルモデルチェンジ。
- 2002年マイナーチェンジ。
- 2004年運転席エアバッグが標準装備となる。
[編集] ボディタイプ
現在のトヨタ車でのボディタイプによる区分は以下のとおり。小項目は代表例。
- カーゴ1tシリーズ
- シングルキャブ
- 2WD 標準デッキ (5MT) KR-KDY220-TLMDY
- 2WD 標準デッキ (4AT) KR-KDY220-TLPDY
- 2WD ロングデッキ (5MT) KR-KDY230-TLMDY
- 2WD ロングデッキ (4AT) KR-KDY230-TLPDY
- ダブルキャブ
- 2WD 標準デッキ (5MT) KR-KDY220-TSMBY
- 2WD ロングデッキ (5MT) KR-KDY230-TBMBY
- 2WD ロングデッキ (4AT) KR-KDY230-PGPEY
- シングルキャブ
- カーゴ2tシリーズ
- 標準キャブ
- 2WD 標準デッキ (5MT) PB-XZU304-TQMMS
- 2WD 標準デッキ (4AT) PB-XZU304-TQPMS
- 2WD セミロングデッキ (5MT) PB-XZU334-TQMMS
- 2WD セミロングデッキ (4AT) PB-XZU334-TQPMS
- 2WD ロングデッキ (5MT) PB-XZU341-TQMMS
- 2WD ロングデッキ (4AT) PB-XZU348-TQPMS
- 2WD ロングデッキ (6AT) PB-XZU346-TQTMS
- 標準キャブ ダブルキャブ
- 2WD 標準デッキ (5MT) PB-XZU308-PQMMS
- 2WD 標準デッキ (4AT) PB-XZU308-PQPMS
- 2WD ロングデッキ (5MT) PB-XZU346-PQMMS
- ワイドキャブ
- 2WD セミロングデッキ (5MT) PB-XZU401-TQMMS
- 2WD セミロングデッキ (4AT) PB-XZU401-TQTMS
- 2WD ロングデッキ (5MT) PB-XZU411-TQMMS
- 2WD ロングデッキ (6AT) PB-XZU411-TQTMS
- 2WD ロングデッキ (6MT) PB-XZU413-TQFMW
- 2WD 超ロングデッキ (5MT) PB-XZU421-TQMMS
- 2WD 超ロングデッキ (6AT) PB-XZU421-TQTMS
- 2WD 超ロングデッキ (6MT) PB-XZU424-TQFMW
- 2WD 超超ロングデッキ (6MT) PB-XZU433-TQFRW
- ワイドキャブ ダブルキャブ
- 2WD ロングデッキ (5MT) PB-XZU411-PQMMS
- 2WD ロングデッキ (6AT) PB-XZU411-PQTMS
- 標準キャブ
- ダンプ
- 標準キャブ
- 2WD 10尺デッキ (5MT) PB-XZU351D-TWMMS
- 2WD 10尺デッキ (6AT) PB-XZU351D-TWTMS
- ワイドキャブ
- 2WD 11尺デッキ (6MT) PB-XZU404A-TMFSW
- 4WD標準キャブ
- 4WD 10尺デッキ (5MT) PB-XZU368D-TWMMW
- 標準キャブ
- ルートバン
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- 2WD 4ドア定員3名 (5MT) PB-XZU308V-REMMS
- 4WD 4ドア定員3名 (5MT) PB-XZU290V-REMGY
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- 特装車では、アルミあおり(日野自動車製)、ダンプ(極東開発工業製)、ドライバン、冷凍車・保冷車、車両運搬車(極東開発工業製)、パワーリフト車・パワーゲート車(トヨタ車体製)、クレーン付きトラック(タダノ製)、タンクローリー(極東開発工業製)が標準メニューだが、その他、希望に合わせた特装・架装もされている。
また、キャンピングカーのベース車としてリヤのトレッドを広げた「カムロード」がJRVA(日本RV協会)加盟のビルダー向けに設定されている。
[編集] 販売店
- トヨペット店(但し大阪地区は2006年8月8日より大阪トヨタ自動車)
[編集] 参考図書
『クルマよ、何処へ行き給ふや―あるエンジニアによる哩石の記』中村良夫 著、グランプリ出版 ISBN 4-906189-83-0 P91
[編集] 関連項目
- トヨタダイナ
- ダイハツデルタ
- 日野デュトロ
- トヨタ・エンジン型式一覧
- トヨペット
- 長谷川龍雄
[編集] 外部リンク
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