デラーズ紛争
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デラーズ紛争は、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の作品中に登場する架空の戦争。ジオン軍の残党であるデラーズ・フリートと地球連邦軍の紛争。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 概要
宇宙世紀0083年10月13日、デラーズ・フリートのアナベル・ガトーが、地球連邦軍のトリントン基地にてガンダム試作2号機を強奪したことを皮切りに勃発。翌0084年3月10日、戦闘終結までの一連の騒乱をいう。
全てのはじまりは一年戦争後の宇宙世紀0081年10月20日に極秘に開発がスタートした「ガンダム開発計画」である。この計画がいかなる経路によりジオン公国軍残党であるデラーズ・フリート側に漏洩したかは不明であるが、MSの核武装なる脅威も引き金の1つと考えられる。また、事後に判明したことではあるが、ガンダム開発計画の実質的な主任だったニナ・パープルトンと、デラーズ・フリートのアナベル・ガトーが交際していた事実が存在する。
デラーズ・フリート側が立案した「星の屑作戦」は強襲揚陸艦アルビオンがトリントン基地に到着後、発動された。表向きは新型MSの地上でのテストであったが、実際はトリントン基地に貯蔵されていた核の受領が目的であった。そのことも含めてジオン側に情報は筒抜け状態であった。
事件は、2号機(サイサリス)とともに1号機(ゼフィランサス)を輸送してきていた強襲揚陸艦アルビオンが追撃任務を拝命。デラーズ・フリートの宣言した「星の屑作戦」阻止のための作戦行動をほぼ単艦でおこなう(強奪されたサイサリスが南極条約違反の機体であるため、極秘裏に解決しようとねらったものと思われる)。指揮は艦長のエイパー・シナプス大佐が執ることとなり、トリントンから補充されたテストパイロットたちを加えて終わりなき追撃を展開した。
しかし単艦での追撃には無理があり、コンペイトウ要塞への核攻撃を許し、さらに地球へのコロニー落としまでも阻止できなかった。さらにデラーズ・フリート、連邦軍ともに内部崩壊をおこしており、裏で手を組んだジャミトフ派(連邦軍)とシーマ艦隊(デラーズ・フリート)の共同作戦によりデラーズ・フリート本体とともにアルビオン隊も壊滅した。
この紛争を契機に、連邦内ではジャミトフ派が中心となってティターンズが結成され、後のグリプス戦役へと繋がっていく。
なおシーマ艦隊を除くデラーズ・フリート残党はハマーン・カーン指揮下のアクシズへ合流。アルビオン隊の生き残りは、指揮官シナプス大佐及びコウ・ウラキ少尉が全責任を押しつけられる形で処罰(シナプス大佐が極刑、ウラキ少尉は懲役1年)され、他のメンバーは殆どがティターンズに参加している。
事の発端を辿ると南極条約で禁止されている核兵器を搭載していたガンダム試作2号機を地球連邦軍が開発していた事が原因であるという結論に行き着くため、体裁を恐れた地球連邦軍は1号機(ゼフィランサス)、2号機(サイサリス)、ガンダム試作3号機の存在自体を歴史の表舞台から完全に抹消、「無かったもの」とした。さらにコロニー落としの件は「事故」として処理することにより事実の隠蔽を図った。これによりウラキ少尉の罪状も抹消されることとなったのである。しかし、シナプス大佐の刑は既に執行されていた。