ニナ・パープルトン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニナ・パープルトンはOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の登場人物の一人。アナハイム・エレクトロニクス社フォン・ブラウン支社の社員。21歳。(CV・佐久間レイ)
ガンダム開発計画の中で製造された試作ガンダム1号機・担当のシステムエンジニア。ガトーによる2号機強奪の際に「わたしのガンダムが」と口走ったシーンやその他の劇中描写を見る限り、実質的な開発主任を務めている様だ。両機の重力下実動試験の現場指揮者としてアルビオンに搭乗し、トリントン基地に降り立った。2号機強奪後も、追撃任務に加わった1号機のサポートとしてアルビオンに留まった。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
1号機パイロットとなったコウ・ウラキとは後に親密な関係となったが、才媛ゆえの気の強さが祟ってか、出会った当初の仲は険悪だった。ベルナルド・モンシアから言い寄られることもしばしばあり、コウを交えた三角関係が幾つかの事件を引き起こした。またコウとは別の意味でマイペースな性格であり、相手の感情・事情を慮らない言動が周囲とのトラブルを生じる事も。
アナベル・ガトーと交際していた過去があり、その事に起因する煩悶が、ガトーへの敵愾心に燃えるコウと仲が進展するに従ってより彼女を苦しめる事となる。
第1話「ガンダム強奪」でサイサリスに乗り込もうとするガトーと対面していながら何故か全くの無反応(「誰よ?」と寧ろ怪訝そうな表情)だった点を論(あげつら)い、「伏線すら無い唐突な”元・恋人”という劇中の設定は後付けのテコ入れではないのか」と邪推・中傷・揶揄するマニアも一部に存在する。が、恐らく真相はスタッフ間の申し合わせ不足による単なる演出ミスに過ぎないと思われる。
ストーリー前半はかなり我侭な女性として描かれており、このことが終盤のコウへの裏切り行為に対して好意的な理由を見出しにくくした感がある。しかもそういった経緯など一切無かったかのようにコウの元へ舞い戻り微笑みかけるラストの厚顔ぶりが決定的に駄目押しする(尚、映画版ではファンからの不評を決定的にしたラストシーンは完全にカットされており、シャトルで地球に降下していった以降の彼女の消息については描かれていない)。この為、彼女を嫌う作品ファンはかなり多く、Vガンダムのカテジナ・ルースと共に『宇宙世紀三大悪女』の固定メンバーに数えられている(もう一人は、Zガンダムのベルトーチカ・イルマか、逆襲のシャアのクェス・パラヤのどちらかが挙げられるが、宇宙世紀でないガンダムを含めた『ガンダム三大悪女』に換えるとガンダムSEEDのフレイ・アルスターも候補に挙がる)ほか、「ニナパー」「紫豚」と呼ばれることも多い。
作品中の彼女の位置付けは反戦メッセージ発信者の端的サンプルとも言え、ファンの多くが支持するガトーの生き様にむしろ否定的な立場にある。彼女の終盤の行動は、自己の命にさえ頓着しないガトーの生き方を否定すると同時に、同じ生き方に足を踏み込みかけたコウを制止する行為でもあった。