ダミーサークル

販売スペースの確保: 同会場に2つ以上のスペースを確保し、それぞれで販売を行うことにより売り上げを伸ばす目的。または、抽選倍率の高い即売会で複数の名義で応募し、スペース確保をより確実にする目的。多くの即売会では1サークル・1代表者に付き1スペースしか応募できないことになっており、ルール違反とされる。ただし、これに関しては、大手サークルの混雑による混乱を避ける意図から準備会が黙認するケースも少なくなく、ダミーサークル行為の助長になっているとする指摘もある。
サークル入場証の確保: 即売会では販売スペースを持つサークル参加者は、サークル参加者を証明するためのサークル入場証を事前に受け取り、当日それを即売会運営スタッフに見せることで、販売準備のため開場の数時間前に入場できる。目当ての同人誌を入手するのに一般参加に比べ格段に有利になるため、入場証を目的としたダミーサークル応募は後を絶たない。更に、サークル入場証自体が高額で転売されることもあるため、それを目的とした応募も存在する。
荷物置き場の確保: 即売会でコスプレを行うコスプレイヤーは、着替えの都合上他の参加者より荷物が大きくなる。多くの即売会では更衣室の提供止まりで荷物置き場までは提供しないので、ダミーサークルがこの目的に利用されることがある。また、上記の事前入場目的の場合は、購入した「戦利品」の置き場に利用されることが多々ある（共同購入や転売目的で数十冊単位の購入が多い）。

販売を目的としない場合には、投げやりに作られたと思われても不思議ではないような簡単なコピー誌を作成し、販売物として陳列し、正規のサークルのように偽装することもある。しかし、後述するように、陳列されているコピー誌だけでダミーサークルと判断するのは誤った判断にも繋がるので注意が必要である。

[編集] 問題

ダミーサークルが当選することで、一般的なサークル参加者がスペース抽選から漏れることもあり、目の敵にされる。また、一般参加者にとっても、ルールを守って長時間列に並んだにもかかわらず、ダミーサークルのようなルールを破った側が得をしてしまうと言う不公平感はぬぐえない。この状況を見た一部の参加者が、同様にダミーサークル確保に走るようになるという悪循環も生まれている。

同様の問題はワンフェス等の立体物版権物のイベントでも過去にあったが、開場直前にディーラー（=サークル）の人員点呼や出展物の当日審査を行い、違反していたディラーに対し、次回イベントでの当日版権申請の停止やイベントへの永久参加禁止などのような「制裁」ともいえる対策をとっている。しかし、こちらも近年は、転売目的の参加者がディーラー用入場許可書の偽造や障害者優先を逆手に取り足の車椅子に乗った不自由な障害者として入場（退場時は戦利品を乗せた車椅子を押して歩いて出て行く）、自由人を動員し前日から並ばせるなど、手口が巧妙化しており、いたちごっこと化している。

[編集] 注意点

即売会当日になって、スペースが無人であったとしても、即時にダミーサークルであると判断することは難しい。病気や怪我で当日会場に行けなかった・寝坊した・その他緊急の用事で欠席または遅刻するケースも多々見受けられるためである。また、販売物が極端に質の低いコピー誌のみであったとしても、技術が意欲に伴わないケースは珍しくはないだけに、販売物の内容を理由にダミーサークルと断ずるのは危険である。特にサークルとして運営しているホームページの日記やブログでこのような決めつけを行った場合、後々ネット上ではおろかネットの外に及ぶトラブルの原因ともなる危険性もある。