ダイムバッグ・ダレル

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ダイムバッグ・ダレル（Dimebag Darrell, 本名:Darrell Lance Abbott, 1966年 8月20日 - 2004年 12月8日）は元パンテラで、元ダメージプランのリードギタリストである。アメリカ・テキサス州のダラス出身。在籍した両バンドのドラマー、ヴィニー・ポールは兄である。1994年に発売されたパンテラの「ファー・ビヨンド・ドリヴン」以降、「ダイアモンド・ダレル」から「ダイムバッグ・ダレル」に改名した。

[編集] 経歴

彼の父親はカントリーの作曲家で、テキサスのパンテゴという町にレコーディング・スタジオを所有していた。そしてそこで彼は多くのブルース系ギタリストの演奏を見てきたという。早くからこの影響は多くのパンテラの曲で聴く事が出来る。12歳の時にギターを弾き始め、若くして州全体のギター・コンテストに出場して7回ほど賞に輝き、16歳の時には「コンテスト荒らし」の異名を取るようになり、最終的には主催者側からコンテストの出場を禁止され、審査員を頼まれたと言うからこの頃から上手さは群を抜いていたと言えよう。これらのコンテストで獲得した景品の中には後にパンテラでトレードマークとなる稲妻ペイント・ギター、ランドールのアンプ、ジャクソンやESPのギター等があった。

リッチー・ブラックモアが弾く「スモーク・オン・ザ・ウォーター」をマスターしたのをきっかけに、本格的にギターの世界に足を踏み入れるようになる。その他の彼の影響としてはエドワード・ヴァン・ヘイレンやエース・フレイリー等である。

彼は頻繁に広告や読者投票の両方で、ギター雑誌のページを飾るようになり、そこで彼はトップ10内にメタル・ギタリストとして常連で登場するようになった。長時間にわたって雑誌「ギター・ワールド」のコラムを著し、それは著書「リファー・マッドネス」で編集された。

彼の兄、ヴィニー・ポールはパンテラでドラムを演奏していた。兄弟は「リベル・ミーツ・リベル」と呼ばれるプロジェクトにカントリーのシンガー、デヴィッド・アラン・コーと協力した。パンテラが解散した後にパトリック・ラックマン、ボブ・ジラと新たなバンド、ダメージプランを始めた。彼らのデビューアルバムは2004年のチャートで38位にランクインした。

胸まで届くほどの長いヒゲが外見上のトレードマークであり、パンテラのライブには毎回必ず一人は彼のようにヒゲを伸ばした観客を発見できたという。

[編集] 音楽性

パンテラでは変則チューニングを使用し、重い音を出す事に成功している。よく「全弦1音下げ」（E音がD音に下がる）と言われる彼のチューニングだがこれは誤りであり、実際はA音を400Hzにあわせてチューニングしているというのが正しい（通常はA音＝440Hzもしくは442Hzというのが一般的）。よって厳密には1音下げではない（1と1/4音下げに近い）。
パワーメタルを得意とする一方でブルースやジャズへの興味も深く、ソロを弾く時の手の形はいわゆる「クラシック形式」といわれる、親指をネックの表側に出さないスタイルである。また、ソロの速弾きにはハンマリングやプリングなどのレガートを多用する。速弾きだけでなく、ワーミーを用いたトリッキーなソロ、ミドルテンポのブルージーなソロなど、テクニカルでかつ幅の広い演奏力を誇る。
前述のランドールのアンプを長らく使用しており、ダレルと言えばランドール、ランドールといえばダレルというイメージが出来上がっていたといっても過言ではないほどである。ランドールの特徴としてはパワーアンプに真空管を使用しないソリッドステート型のアンプである事が挙げられるが、ダレル自身も「ビルから落としたってビクともしない」と絶賛していた。が、実はダレルは真空管（チューブ）型のアンプへ移行しようとしていたという事実が彼の死後に明らかになる。

[編集] 殺害

彼は2004年12月8日にダメージプランのパフォーマンス中にオハイオ州コロンバスの「アルロサ・ヴィラ」というナイトクラブで殺害された。8フィートのフェンスをよじ登り、クラブのセキュリティによって建物に追い込まれた後、コンサートが始まってすぐの午後10時頃にオハイオ州メアリーズヴィル（コロンバス郊外）出身の25歳、元海兵隊員のネイサン・ゲールがナイトクラブに入って来た。ネイサンはステージの左側に入り、ダイムバッグが立つ反対側の右側へ前進した。ネイサンはその時ダイムバッグを掴み、至近距離でベレッタのピストルで彼の頭に2回発砲した。ダイムバッグは合計4発撃たれた。他に3人がこの発砲で死亡し、2人が負傷した。警察によると、ネイサンはこのピストルから15発の弾を発砲していた。