ゼマイティス

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ZEMAITIS（ゼマイティス　または　ゼマティス）は、トニー・ゼマティス（w:Tony Zematis,1935年～2002年 8月17日）が1955年当時、友人が所有するギターを観察し独自のデザインなどを取り入れながら作られたアコースティックギターから始まる英国製ハンドメイドギターである。　

[編集] ZEMAITISの特徴

アコースティック・ギターだけでなく、エレクトリックギターも数多く製作されている。

アコースティックギター

ヘッドの形状、ハート型のサウンドホール、胡蝶貝のインレイなど、芸術性・演奏性に富んだオリジナルデザインで製作されている。

エレクトリックギター

他のエレキギターに見られないほどデザイン性が高く、ヘッドの形状・ブリッジの形状・ボリュームの形状などがほぼ全てオリジナルデザインを施し（製作依頼者の要望でオリジナルデザイン以外のものもある）、友人である彫刻師ダニー・オブライエンの彫刻をヘッドストック・プレート・ピックアップカバー・ブリッジ・シールドジャック部・メタルフロント（ボディ前面全体に彫刻板がつけられているモデル）・ディスクフロント（ボディ前面に彫刻された円形の彫刻版が取り付けられているモデルで、原案者はロン・ウッド。1971~72年頃に、ロン・ウッドのアイディアや提案を受けたトニーによって製作されているものが、オリジナルである。）等に採用している。

[編集] ZEMAITISとトニーゼマティス

　【1935年～ 1965年】

1935年にアンテニュー・カシミア・ゼマティスは、イギリスのロンドンに誕生。 16歳の時に友人からの紹介で家具職人を目指し修行を開始する。この頃からトニーはギターを弾き始める。
家具職人修行で培った技術を活用して、友人のギターを修理したりしていた。
　この頃トニーはギターを買うことが金銭的に厳しく、クラシックギターを見よう見真似で製作している(1955年当時)。そして友人の持っていたギターを観察し、自分のアイディアを加え、試行錯誤を繰り返しながら、ゼマティスのルーツとも言えるトニーの記念すべき第一号のギターが完成した。
　その間に徴兵による軍隊生活があったが、軍隊生活を終えたトニーはギター製作にさらに没頭した。
トニーが製作したギターで最初に注目されたのはロングスケールで、低くチューニングされた12弦ギターだった。これは4フレット下げ、Ｃスケールにチューニングされたもので、彼は「ストリートベース、ストラングロー」と呼んでいた。このタイプのギターは50年代のイギリス独自のもので有名なブルース・プレーヤー「リード・ビリー」などが使っている。
　そして当時のロンドンのコアなフォーク・ミュージシャンにトニーのギターは注目され、彼らからギターの注文も入るようになってきた。その頃のトニーは彼らに材料費程度しか請求せず、安く売ることにより、また次の注文ももらうことができ自分もギターの製作技術を高められるよう考えていた。
1965年、そうした努力が実り、やっとフルタイムのギター製作家として生計を立てられるようになった。

　【1960年代～ 1970年代】

この頃のトニーの製作するギターには、大きく分けて３つのグレードがあった。
スタンダード・カスタム・デラックスの３つで、これらは製作のレベル、材料、全体の品質の違いで分けられている。

　【1980年代～ 2002年 8月17日】

2002年 8月17日トニーは以前からの病で、死去。

[編集] 使用ギタリスト

日本では布袋寅泰、GLAYのHISASHI、などが使用している。
海外ではジミー・ペイジ（Jimmy Page）、エリック・クラプトン（Eric Patrick Clapton）、バックチェリーのキース・ネルソン、ローリングストーンズのキース・リチャーズとロン・ウッド、ボン・ジョヴィのリッチー・サンボラなどが使用。
アコースティック・ギターはジョージ・ハリスンやドノヴァンなどが使用。

[編集] Zemaitis Museum(ゼマティスミュージアム)

トニーの死後、その功績と新たなゼマティスの出発を示すべく、晩年のトニーからゼマティスの製作を譲り受けた神田商会によって、日本の東京都千代田区鍛冶町にゼマティスミュージアムが建てられた。
ゼマティスミュージアムには、生前トニーの趣味で所有していたクラッシックカーや、1960年代から1970年代にかけてトニーが試験的に作ったゼマティスのエレキギターのプロトタイプ、現在生産・販売されている新生ゼマティスギター等が、展示されている。なお、展示されている新生ゼマティスギターは試奏可能。
バーもあるが、一般営業はしていない。特別な来賓が来たときなどに使われている。彫刻師のダニー･オブライエン(Danny・O'Brien)氏が来店した時など。
Zippo ・ピック・アクセサリー等の、ゼマティスグッツ販売も行っている。ギターのリペア(修理)も受付ている。