スプーリング

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情報工学において、スプーリング(英:spooling)とは、稼動中の複数の周辺装置を同時並行に動作させる事を指す頭字語(Simultaneous Peripheral Operations On-Line)である。^[1]

[編集] 概要

スプーリングは、バッファ、メモリもしくはディスク装置上の特別な領域の中にある出力処理内容を参照し、出力装置が処理を受け付けできる状態の時には、装置へと出力を行なう。

これは、ミシンの糸繰り機構に似ている。ミシン使用者が糸繰り機構へ縫い糸を置くと、ミシンは自身の動作都合に従って糸を引っ張る。スプーリングは、複数の装置が異なる処理速度でデータにアクセスするのに役立つ。バッファは、処理速度の遅い装置の動作が追い付くまでの間、滞留しているデータが待ち合わせる場所を提供する。スプーリング対象となるデータは、(ミシンで縫製作業を行なっている時の布地上の縫い糸目のように)処理待ち行列の端で追加や削除されているだけあり、参照順序の入れ換えや編集はなされていない。また、スプーリングにより、あるタスクが(CPUに比べ)より遅い装置が作業を行なっているのを待っている間、CPUは他の作業に取り組める。

スプーリングは、テープ装置のような、巻き取り機構を備えた記憶装置にも適用できる。

もっとも一般的なスプーリングの適用例は、印刷スプーリングである。印刷スプーリングにおいては、印刷文書はバッファ(通常、ディスク上の領域)に格納され、プリンタは自身の処理できる速度でバッファから印刷文書を引き出す。印刷文書がプリンタから参照可能なバッファに格納されている為、表から目立たない場所で印刷処理が続行されている間、コンピュータ利用者は他のコンピュータ処理を自由に実行できる。また、スプーリングはコンピュータ利用者に対し、ひとつひとつの印刷ごとに終了を待ち合わせては次の印刷をするよう指定する代わりに、キューへ多数の印刷ジョブを登録できるようにする。

メール転送エージェントによって配達された電子メールおよび、メールユーザーエージェントによって運び上げてもらうのを待っているメールが一時的に格納される記憶域は、時にメールスプールと呼ばれる。同様に、Usenet配信記事の為の記憶領域も、ニューススプールという名称で言及されるもしれない。(UNIX系オペレーティングシステムにおいて、これらの領域は通常、/var/spool ディレクトリに配置される) 他のスプールとは異なり、メールやニュースのスプールは通常、個々のメッセージ単位の参照が可能である。