スパニッシュフライ
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スパニッシュフライ | ||||||||||||||||
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スパニッシュフライ |
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Lytta vesicatoria | ||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||
Spanish fly |
スパニッシュフライ(学名Lytta vesicatoria )は、コウチュウ目・ツチハンミョウ科に分類される甲虫の一種。転じて、それを成分とした催淫剤の呼称にも用いられる。
英語の和訳によりスペインバエなどの別名もあるが、ハエではない。英語では日本語ほど昆虫を細かく区別する表現は発達しておらず、英語のflyは狭義のハエのみならず飛翔する昆虫一般をも指すことに注意する必要がある。和名としてスペインゲンセイ、ヨーロッパミドリゲンセイなどもある。
この虫はツチハンミョウ科に共通する毒成分カンタリジン(cantharidin)を体内に蓄える。この昆虫を人間が摂取するとカンタリジンが尿中に排泄される過程で尿道の血管を拡張させて充血を起こす。この症状が性的興奮に似るため、西洋では催淫剤として用いられてきた。歴史は深く、ヒポクラテスまで遡ることができる。「サド侯爵」マルキ・ド・サドは売春婦たちにこのスパニッシュフライを摂取させたとして毒殺の疑いで法廷に立った事がある。
漢方医学でも伝統的に、ツチハンミョウ科の甲虫を同様にカンタリジンを有効成分として含む薬用生物として利用しており、今日でもヨコジマゲンセイやキオビゲンセイがこの目的で大量に取引されている。
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