ジパング
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ジパング(Zipangu)は、ヨーロッパにおいて、日本だといわれる島の古名。
[編集] 語源
語源については、「日本国」を中世中国語で発音した音(現代北京語 /Ribenguo/ では「ジーベングォ」と発音)が語源とされ、ヨーロッパにはマルコ・ポーロがCipangu(あるいChipangu)として最初に紹介したと言われる。なおアラブではジパングにあたる島(国)を、ワクワク(倭国?)と呼んでいる。
現代の多くの言語で日本を意味するJapan/Japon/Giappone/Yaponiyaなどの言葉は、一般にジパングが語源とされるが、ポルトガルが到達した16世紀頃の東南アジアで日本のことを中国語からの借用語でJapangと呼んでいたことに由来するという説など、異説もある。
日本ではマルコ・ポーロが紹介した事実が非常によく知られており、日本の一種の別名としてとらえられている。
[編集] マルコ・ポーロの伝えたジパング
マルコ・ポーロの『東方見聞録』は、以下のように伝えている。
- ジパングは、カタイ(中国大陸)の東の海上1500マイルに浮かぶ独立した島国である。莫大な金を産出し、宮殿や民家は黄金でできているなど、財宝に溢れている。人々は偶像崇拝者で外見がよく、礼儀正しいが、人肉を食べる習慣がある。
- モンゴルのフビライ・ハーンがジパングを征服するため軍を送ったが、暴風で船団が壊滅した。生き残り、島に取り残された兵士たちは、ジパングの兵士たちが留守にした隙にジパングの都を占領して抵抗したが、この国で暮らすことを認める条件で和睦して、ジパングに住み着いたという話である。