ザ・チャンス!
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ザ・チャンス!は1979年4月10日~1986年9月25日にTBSで放送されていた視聴者参加クイズ&ゲーム形式のアトラクション番組。
[編集] 概要
番組開始当初のスポンサーはヤンマーディーゼル(現・ヤンマー)一社提供であり、番組名の冠に「ヤンマーファミリーアワー」がついた。(後期は複数スポンサー提供)日本青年館での公開放送で、会場からランダムに選ばれて(視聴者が番組側から出されるゲームやクイズ(賞金総額を当てる)などに成功すると画面には映らないくす玉が割られて紙吹雪が降った。)、自動車や海外旅行などの豪華賞品が当たることで有名になった(最初に4チームを選んだあとに金額を当てるクイズがあって、内輪で正解金額に一番近かったチームが次に商品獲得をかけたゲームに挑戦する権利がある。4チームの値段の答え出しが終わった時点で正解のチャイムが鳴るとピタリ賞がいる知らせであったが、逆に全チームが内輪とならず、ブザーが鳴らされて解答し直すことも年に数回はあった。)。放送時間は火曜19:00~19:30。1984年4月に前のニュースコープが20分延長され、水曜の19:20~20:00に移った。
初代司会者は、前番組「飛べ!孫悟空」(ザ・ドリフターズ出演の人形劇)に出演していたピンクレディーだったが、放送開始まもなくアメリカでのテレビ番組出演のため休むことになり(実質的には降板)、2代目司会者としてタレントの湯原昌幸(タレント・荒木由美子の夫)が担当し、のちに3代目司会者として伊東四朗が担当した。その後、ピンクレディーが帰国した後もプロデューサーの意向で3代目である伊東が司会を続けたため、「ザ・チャンス!といえば伊東四朗」というイメージが強い。
「ナウ ゲッタ ザ チャンス」が合い言葉であり、CM前には「ナウ ゲッタ ザ コマーシャル」と変えていた。また、正解が書かれた封筒を開け紙を出すとき、伊東が「ニン」とあけるギャグは会場の観客も一緒に言うようになり名物となった。また、獲得商品の目録を渡すときも伊東が「ニーンニーキニーンニーン」と表彰式の音楽を口ずさんでいた。(尚、「ニーンニーキニーン二ーン」は現在フジテレビの「脳内エステ IQサプリ」でも口ずさんでいる。)
豪華賞品の紹介は、ナレーターで「天の声」とよばれた小川哲哉や大竹まこと、などが担当した。カーテンから現れる賞品を素直に紹介することが多かったが、手の込んだ紹介方法もあった。例えば、普通のカバンが一式でてくるだけで参加視聴者がちょっと落胆している中、司会の伊東が文句をいうと、裏の声が「ではこのカバンを持って出かけましょう。豪華海外旅行です!」などと二段仕掛けになっていた。また、豪華商品の一つとしてマツダ・ファミリアなどもあった。
この様なコンセプトと手法は、後に「関口宏の東京フレンドパーク」「しあわせ家族計画」に受け継がれる。また、このようなコンセプトと手法をベースに「やすきよの腕だめし運だめし」(読売テレビ)が放送されていた。
元になったのは、アメリカの「The Price Is Right」。こちらは現在も続いている。
[編集] 主なゲーム
賞品を賭けたゲームには、以下のようなものがあった。(もちろん、これはその一部である)
- 危険な崖ゲーム
- 3つの商品の値段を当てる。値段の答えて、誤差がないときはチャイムがなり、誤差があるとブザーが鳴らされる各商品の予想と正解の誤差だけ、登山人形がヨーデルとともに崖を登る。誤差が5,000円を超えると登山人形が崖から落ちて失格(初期はガイコツが出ていたが、後に湖水が撥ねるパターンになった)。
- ゼッケンゲーム
- 挑戦者が数字の書かれたゼッケンを着け、自分たちが並び替わることで賞品の値段を当てる。1人につき数字2桁(十万・一万、千・百)のパート1と、数字1桁(十万・一万、千・百)のパート2がある。
- デッドヒートゲーム
- スタート地点から離れたところにある得点ボードのうち1枚をめくり、出た数字だけ自分の車(または飛行機)を進ませる。ただし、スタート地点に戻ってGOボタンを押さないと進まない。対戦相手は1分でゴールする(その時はSTOPランプが点灯する)ので、その前にリレー形式で100点稼いでゴールする。最終判定で失敗することもあった。
- 10個の卵ゲーム
- 賞品の値段の十万、一万、千、百の桁の数字を当てるゲーム。ハズレると、10個限定で雌鶏人形が卵を産んでいく。10個で打ち止めになると最後は口答で値段を当てる。成功率の低いゲームだった。
- 玉RUNゲーム
- スタート地点から離れたところにあるボックスからボールを1個取り出す。ボールは赤・青・黄・緑・白があり、リレー形式で60秒以内に白以外のすべてのボールを1回以上引き当てれば成功。ただし、引いたボールはまたボックスに戻すので、既に引いた色をまた引き、「たまらん」思いをすることもある。成功率の低いゲームだった。
- ジャンケンゲーム
- 商品の値段を、十万、一万、千の桁の数字を当てるゲーム。ただし、それを言えるのはジャンケン小僧に勝った時のみ。制限時間は60秒。
- リレーゲーム
- 商品の値段を、十万、一万、千の桁の数字を3×3のマス目に書いて当てるゲーム。制限時間は60秒。
- エイティーゲーム
- 商品の値段を、高い桁から1桁ずつ当てていく。回答台に正解と思う数字ブロックを置いていくのだが、回答台とブロック置き場は離れているので、挑戦者たちはその間に並び、バケツリレーの要領でブロックを渡していく。タイトルどおり、制限時間は80秒。
- モンスターハウス
- 3組の対戦形式。0~9の数字の書かれた棺おけがあり、中は「○」(賞品の値段に使われている)、「×」(ハズレ)、モンスター(失格)の3種類。順番に棺おけを開き、最終的に生き残って、○を全て開けたチームが勝ちとなる。
- シャットアウトゲーム
- 商品の値段を、高い桁から3桁までの数字を当てていき、1つ間違えると檻〈おり〉が降りてきて、全部檻が降りてきたら失格となる。賞品は主に旅行で、「クイズ100人に聞きました」のトラベルチャンスと同じ手法を取っていた。檻に入った挑戦者は見送りとなっていた。番組史上、余りにも難易度が高いゲームで視聴者からの苦情も多かった様だ。
- パットナンバーゲーム
- 3組の対戦形式。0~9の数字が隠されたボールを各組3個ずつ引き、その数字の積が大きいチームが勝ち。ただし、0を引くと、いくら掛けても0なので失格。しかも、0に限って、一度引いてもまたボックスに戻され、ほかのチームが引く危険もある。なお、ボーナスとして数字が続いた場合は賞金10万円が貰えた。
[編集] 前後番組の変遷
TBS系列 火曜19時台前半(1979年4月~1984年9月) | ||
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前番組 | ザ・チャンス! | 次番組 |
飛べ!孫悟空 | JNNニュースコープ ※18:30-19:20に枠拡大 |
TBS系列 水曜19時台後半(1984年10月~1986年3月) | ||
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前番組 | ザ・チャンス! | 次番組 |
ぼくたちの疾走 ※19:30-20:00 |
19:20 ウルトラマンキッズのことわざ物語 19:30 ワンダービートS |
TBS系列 木曜19時台後半(1986年4月~1986年9月) | ||
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前番組 | ザ・チャンス! | 次番組 |
レッツ・ラ・ゴー | ゲーム・史上最大の作戦 |