サーターアンダーギー
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[編集] 概要
首里方言で「サーター」は砂糖、「アンダーギー」は「アンダ(油)」+「アギー(揚げ)」で「油揚げ」、揚げ物を意味する。その名の通り砂糖を多めに使用した球状のドーナツである。「砂糖天ぷら」(さとうてんぷら)「サーターアンダギー」、「サーターアンラギー」ともいう。
北京の名物菓子の「開口笑」(カイコウシアオ)と材料・作り方や、揚げ上がりに表面が割れる点が類似しているが、大きさはサーターアンダーギーの方がかなり大きく、表面にゴマをまぶさないため、中国から伝来した菓子が変化したものと考えられている。
砂糖がふんだんに使われ、また気泡が小さくて密度が高いため、かなり食べ応え・満腹感のあるお菓子であり、表面はサクサク、中はシットリもしくはモッソリとした食感である。時間をかけて中まで揚げることから日持ちし、数日程度は常温下でも置いておけるため、沖縄ではこれを一度に大量に揚げる。
沖縄においては家庭で作られるほか、街角や市場の天ぷら店でも販売しており、1個から気軽に購入できる店が多い。店売りの場合、精白糖を使用したものを「白」、黒糖を使用したものを「黒」と呼んでいる。
[編集] 作り方
小麦粉・卵・砂糖ないし黒砂糖・ベーキングパウダーなどで「やや緩いクッキー生地程度」の固めの生地を作り、丸めて低温の油(摂氏140~150度・都市ガス用ガスコンロでも弱火~とろ火)で数分間揚げる。なお油の温度が高いと、表面だけが黒く焦げ、中の生地が生のままであるという事態に陥りやすい。
一般の商店で販売されるものは通常、揚げる前にピンポン球サイズ、油で揚げた後の状態で直径5cmから8cmくらいになる大きさに作られる。ボリュームとしては密度が高いことから、一個辺りの満腹感は一般的な洋風のドーナツより大きい。勿論家庭で作る際には好みで大きさが決められる。ちなみに生地をビー球より僅かに大きいくらいにすると、ピンポン球サイズに揚がる。揚げ油にはラードが使用されるが、一般に入手しやすいサラダオイルを使う人もいる。
生地にカボチャ、紅イモ、ウコン等を練り入れたバリエーションも存在する。また近年では専用のミックス粉(ホットケーキミックス粉のような物)も販売されており、所定の量の卵を入れて油で揚げるだけという物も見られ、家庭で作る際にこれを利用する人も多い。このミックス粉にも、黒砂糖バージョンや紅芋バージョンなど様々ある。近年では本州でも沖縄料理や沖縄野菜(ゴーヤーなど)への関心が強い事もあり、本州の一部店舗でも、このミックス粉が販売されている。
黒砂糖を使うと蜜の味が強く風味が増すが、ブロック状の黒砂糖を細かく砕くか、予め粉末にしてあるものを使う必要があり、手間がかかる。そのため、他に混ぜ物をする場合には白砂糖を使うことも多い。また、ミックス粉では白砂糖を使用したもののほうが1~2割ほど値段が安く、より多く流通しているようである。
[編集] 縁起物として
低温の油でゆっくり揚げる際に、まず球状に表面が固くなり、そのあと内部の膨張に従って球状の表面が割れる。その形が花が開いたように見えることから、縁起のよい菓子とされ、祝い事の際などに饗応される。この時には普段のものより大きい、直径12cmから15cmくらいのものが作られることもある。