サバイバルゲーム
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サバイバルゲーム(SVGと略される場合もある)とは、主にエアソフトガンとBB弾を使って行う、戦争の歩兵による戦闘を模した撃ち合いを行う遊び、もしくは競技である。
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[編集] 概要
サバイバルゲームは趣味や娯楽としてのゲームで、遊びの範疇ではあるが、公式・非公式を問わず競技化されている物もある。
元来、子供の鉄砲ごっこや戦争ごっこ(→ごっこ遊び)から転じていった部分があり、エアソフトガンが存在しなかった時代には銀玉鉄砲のような玩具や、モデルガンないし巻き火薬鉄砲と呼ばれる、発射音はするが弾が発射できないもので同様の遊びが行われていた経緯がある。この他には光線銃や水鉄砲を、より競技化したものにはペイントボールなどの専門化された道具を使う種類の「撃ち合う遊び」もあるが、ここでは主にサバイバルゲームとして認識されるエアソフトガンを使用してのゲームについて記述する。
実際の戦闘(戦争)がモデルになっているという側面から嫌悪感を抱く人もおり、過去にはあまりおおっぴらには行われていなかったようだが、最近ではスポーツであるという認識において、全国規模の大会等も数多く行われるようになった。
敵味方に分かれてお互いを撃ち合い、弾が当たったら失格で片方のチームが全員失格になったら負けと言う点は、ゲームルールとしては単純明快である。ゲームの開始前に参加者同士で話し合うなどして、その場に応じて細かなルールを設定し、一度弾が命中してもその後のゲーム展開に再参加出来るようなルールを採用している場合がもある。
しかし、サバイバルゲームはいまだ競技として公式なルールを制定する段階には至っておらず、ゲームで遊ぶグループ、または大会ごとにルールは微細に異なっている。なお、サバイバルゲームにおけるルールは競技としての意味合いからレギュレーション'と呼称する場合もあるが、ここでの表記は「ルール」に統一する。
[編集] 装備について
特徴的な装備は、主に撃ち合うための銃(エアソフトガン)と、その弾丸による負傷を防止するためのプロテクターなどがある。
靴については、山野を駆け回る事から動き易い運動靴か、軍用のジャングルブーツ等を履く場合が多い。
また、肌を露出していると弾丸が当たった際にケガをする可能性があるので、長袖・長ズボンで帽子着用をする者が多く、人によっては実際の軍服やそれの模造品を身に付ける場合もある。
事故や傷病に備えて、医薬品や救急セットを用意するケースも見られる。
さらに、不慮の事故を防ぐため、たとえ弾が入っていないエアソフトガンであってもゲーム以外で銃口を人や動物に向けない、使用するまで安全装置を掛けておくなどが原則である。 オモチャの鉄砲とはいえ、適切な使用で楽しいゲームが望まれている。
[編集] ゴーグル等の着用義務
サバイバルゲームに参加する者、観戦する者は目を保護するため、必ずゴーグルを着用しなくてはならないとルールで取り決めている場合が殆どで、いくら他の装備をばっちり決めていても、ゴーグルがなければゲームに参加できないという場合が多い。玩具銃であるエアソフトガンとはいえ、目に当たれば眼球を傷付け、失明させるおそれがあるからである。 また、至近距離であれば、皮膚に当たったり、爪などの比較的硬いものであっても内出血を伴う傷を負う場合がある。 ゴーグルは最低でも目の周囲全体を覆うことができるものと規定しているルールが専らであり、且つゲーム開始前にゴーグルに向かって弾を撃ち、割れないものであることを確かめておく必要があると定めている団体もある。このため、レンズ部分が合成樹脂製のゴーグル以外に、金網を使用した物もある。
競泳用の水中眼鏡や、眼鏡型の保護具などで代用することはできないと定めている場合が多い。
また、たとえ死亡(後述)してもフィールド内ではゲームが終わるまではゴーグルを外してしまうと、「弾に当たっていない有効なプレイヤー」と判断され誤射にあったときに本末転倒な事態になる可能性があるので、少なくとも規定フィールド内では原則着用し続ける事が肝要である。
軍用の砂塵が目に入るのを防ぐのに用いるゴーグルを使用する人もいれば、ペイントボール用に開発されたフルフェイスタイプ(お面)を用いる人もいる。
実銃射撃に用いるサングラスタイプの保護眼鏡(シューティンググラス)は、横から飛んでくる弾をガードできないためゲームに用いるのは不可とされるが、そのような状況が起こる可能性の低いシューティングレンジ(射撃場)などではよく用いられるようである。
蛇足だが、顔面全体を通気溝のあいた強化プラスチックなどで覆うタイプのものは、特にフェイスガードと呼ばれる。
[編集] 武器
主力的に使用する物をメインアーム(ライフルやサブマシンガンの形をした物が多い)といい、補助的に使う目的の物をサイドアーム(拳銃など)と言う場合が多い。
しかし、使用できる武器は、そのゲームのルールによって異なる。
エアソフトガンであれば何でもありという場合もあれば、ゲーム形態によって様々なルールが制定され、ハンドガン以外は使用不可という場合、定弾(携行弾の制限、例:300発位)などや、銃自体使用しない場合(ゴム製等の模造刀剣類を使用)など様々である。 中には安価で飛距離の短いとされるミニ電動エアガンシリーズのみによるワンメイク(同一の道具を使う)ゲームも存在する。
ゲーム開始前にルールをよく確認しないと、無用なトラブルの元である。
通常、武器の威力に関しては、弾の重量と初速から計算できる物理学上の運動エネルギー値ジュール(J)や、明確な初速(銃口から所定の距離を通過する際の速度)においてルールが設定されている場合が多い。
例えば、"0.2g弾を使用して100m/sまで"などの表記は、その開催されるゲームにおいてのルールが、0.2gのBB弾を使用し、初速が毎秒100m以下でなければならない事を示している。
特に最近は弾速計の低価格化や、ジュール数の曖昧さ等から初速を明確に定義するチームが増えてきている。
弾の重さと武器の威力に制限があるのは、ゲームで使用する武器の威力が強すぎると、体に命中した際に危険であるからであると同時に、長距離での膠着戦に陥りやすくなり、ゲーム自体が陰湿なものになってしまう事があります。
標高の高い場所でゲームを行う際や、夏場などにガスガン(フロンガスや圧縮空気を利用した物)などを使用する場合には、予め自分の部屋で計測した初速から少なくとも5~10m/sは上下がある事を念頭におかないと、「現地で計測値がオーバーしていたから、自慢の銃が使えなかった」なんて事態になります。
なお威力規定を無視したエアーソフトガンを大会に使用し発覚した場合、その場で失格となるだけではなく、下手をすると仲間内からも疎外されると言う事態も考えられる。これではせっかくの趣味も楽しさ半減である。
武器にペイントや迷彩などを施すドレスアップ・エアガンなどは賞賛される場合もあるが、発射威力を高める事に熱中するあまり、違法改造エアガンを持ち込むと大会において明確なルール違反者として特に敬遠される傾向にある。
なお、0.2g弾で100m/sの初速、0.25g弾で90m/s初速が大よその1Jに当たる。
[編集] その他の装備
その他の装備については特に決まったものはない。殆どの場合ジーパンにトレーナーで参加はできるが、ルールによって使用する武器に制限があったように、例えば「ベトナム戦争当時のアメリカ軍及びベトナム軍の装備(服装)に限る」といった、いわば軍装ありきのゲームが開催される事もあります。
ゴーグルを着用しているかぎり、法律に触れない程度に自己責任で衣服の規定は無い場合が多いものの、山や森、廃墟といった場所を動くので、植物のトゲや鋭利な枝葉による切り傷や、急斜面での滑落時の擦り傷軽減などを考慮して長袖長ズボンを着るのが望ましい。
また、けがをしても応急処置ができるように、簡単な救急用具(絆創膏など)を用意しておくと意外と役に立つ。 そして、ペットボトルや水筒などで水を用意しておけば、渇きを癒す飲料水として使えるほか、傷口を洗う洗浄液としても使える。
[編集] ゲームにおける「死亡」について
ゲーム中に失格になることを死亡という。死亡した参加者はゲームの行われている場所(フィールドという)から離れたところにある、セーフティゾーンへすみやかに移動しなくてはならない。なお、移動する時に仲間と会話したり、余った弾などを譲ったりすることはできないという厳格なルールも存在する。また、セーフティゾーンへ来たら、ゲームを行っている仲間に戦術を教えたり、ゲームが行われている会場に向けて弾を撃ってはならない。代表的な死亡の条件は次の通りであるが、ナイフアタックを認めていない場合もある。
[編集] ヒット
飛んできたBB弾に当たることをヒットといい、反対に、敵に弾を当てる事をゲットと呼ぶ。体に当たった場合はもちろんのこと、着ている服や持っている銃、その他身につけているものであればどこに当たってもヒットであるとするルールもある。
この場合、誤射(自分や味方の撃った弾に当たった場合)も同じくヒットである。
さらに跳弾(ちょうだん)といって、地面や壁、その他障害物に当たって跳ね返った弾に当たってもヒットとなる。つまり、誰が発射したのかを問わず、静止していない弾に当たった場合はすべてヒットとなる。
ルールによっては、誤って味方に当ててしまった方の責任として味方に弾を当てた方が死亡になる場合もある。
ヒットした者は直ちに相手に聞こえる声で「ヒット」と叫んで自分が死亡したことを周囲に知らせなければならないが、ヒットかどうかの判断は自己申告による。つまり、参加者の良心に任されている。体以外のところに当たったり、跳弾で勢いのなくなった弾に当たったりすると気づかないこともあるので、あまり悪質でない限りヒットの申告をしないのは「仕方が無い事」とされる(逆の立場なら許容すべきことである)が、弾に当たったことに気づいたらすみやかに申し出なくてはならない。公正を期するために、大きな大会では判定員が判定することもある。
被弾したのにヒットの申告をしない者を通称ゾンビという。ゾンビに対する罰則はないのだが、ゲーマーとして最悪のマナー違反であり、ゲームの楽しさを著しく阻害させる。
ゾンビをたびたび起こす者は、チームから排除されたりそのような者が在籍するチームとは試合を組んでもらえなくなるなどの事態に陥る。サバイバルゲーム愛好者のコミュニティは意外と横の繋がりがあり、どこかのチームから追い出された者に関する情報は自ずと周辺に伝搬するため別のチームに入団することも難しくなる。
[編集] フリーズコール
対戦相手に気づかれずに忍び寄り、忍び寄られた方が自らの形勢不利を認め降参すれば、死亡となる。
通常は忍び寄った方が「フリーズ(動くな!)」と声を掛け、忍び寄られた方が両手を挙げるなど、明確に降参をすればフリーズコールが成立する。
また、フリーズコールに失敗(例:先に感づかれた場合など)し形勢が逆転、自ら降参した場合もフリーズコールが成立する。
フリーズコールを無視して反撃してもいいが、無謀な反撃をすると至近距離から撃たれて痛い思いをするし、反撃の余地がある場合以外は、フリーズコールを無視するのは遊びとしての人間関係に支障をきたす元である。また、降参したフリをして反撃に転じるなどはもってのほかであり、ゾンビと同じくマナー違反とされる。
ただし、相手との距離や地形などによって素早い反撃や逃亡が可能な場合は、マナーに違反しているわけではなく一概にフリーズコールをされたらそれに応じなければならないという訳ではない。
[編集] ナイフアタック
相手チームのメンバーに気づかれずに忍び寄り、ゴムナイフなどで背中などを攻撃することをナイフアタックという。ナイフとはいっても、ゴムやプラスチック製の模造ナイフを用いる。ナイフアタックをされた方は当然「死亡」となる。 ただし、咄嗟にさけられた場合など、どちらが先にナイフアタックを行ったかでもめるおそれがあるとして、ナイフアタックを認めていない場合もある。
また、ナイフなどによる攻撃を全面的に禁止し、素手によるタッチングをアタックと認め、避けられたりした場合などは相打ち死亡になるルールもある。 こうしたエアーソフトガンによらない攻撃は、近年ではトラブルの元として禁止されている大会が多い。
[編集] 接触
違うチームのプレイヤー同士での直接的な接触を、死亡とするルールも存在する。これは無用の接触によるトラブル回避の手段であり、大きな大会などで採用されている事がある。
[編集] 遊び方と勝利条件
公式ルールがない分、多種多様ではあるが、制限時間があるのは共通している。代表的なのとして次のようなものがある。
[編集] フラッグアタック
2チームに分かれ、互いに適当な場所に陣地を決め、旗を掲げる。その旗の付近からスタートの合図で動き出す。そして、敵の陣地にある旗に触れれば勝ちである。または、旗を奪って自陣に持ち帰れば勝ちとするルールもある。
一般的には、いずれの場合も敵を倒した数は関係ないので、最終的な人数が相手よりどんなに少なくても、旗に触れれば(または旗を持ちかえれば)勝ちであり、制限時間内にどちらも旗に触れる(または旗を持ちかえる)ことができなかった場合は引き分けとなる。
[編集] 殲滅(せんめつ)戦
2チームに分かれ、互いに適当な場所に集合し、スタートの合図で開始する。敵を全員死亡させれば勝ち。どちらのチームも制限時間内に敵を殲滅できなかった場合には、生き残った人数の多い方が勝ちとするルールと、引き分けするルールがある。
[編集] バトルロイヤル
全員が適当に散らばって、特定の経過時間(例:5分後に開始)や何らかの合図で動き出す。 自分以外の全ての参加者が死亡すれば勝ち。
[編集] ヒストリカルゲーム
史実にあった戦いを再現して行う、サバイバルゲームの持つ「戦争ごっこ」としての要素を極大化したといえるゲーム。その頃に使われた装備品に身を固めて行うのが特徴。
[編集] その他
ルールではないが、マナーとして周囲に気を配るということがゲーマーとしての常識となっている。 たとえば、次の通り。
[編集] 無関係な人への配慮
サバイバルゲームでは弾を飛ばすので、人通りの多い場所で行うと無関係の人に当たってしまう可能性がある。 そこで、たとえば人気のない山の中や森の中といったところで行い(専用フィールドを用いることが理想的である)、サバイバルゲーム中であることを知らせる掲示をしておくとともに、ホイッスルやベルなどを用意して、万が一人が通った時はそのホイッスルやベルを鳴らして、無関係な人がフィールド内を通ることを他のゲーマーにも知らせ、その音が聞こえたらすみやかにプレイを中断することにしておくなど、周囲の安全を確保しなくてはならない。
[編集] 服装(大会会場への移動に際して)
会場への行き帰りの服装が迷彩服だったりすると、その事を不快に思う人もいるわけで、特に銃をむき出しのまま持っていては軽犯罪法違反になるのはもちろんの事、警察官の職務質問を間違いなく受ける羽目になる。このためゲーム中に迷彩服のような特殊な格好をするにしても、家から会場までは普通の服装でいき、会場で着替えてサバイバルゲームを楽しみ、帰宅時にはまた着替えて家に帰るのが良いとされている。
また、銃も会場以外では外から見えないようなケースや袋に入れて持ち運ぶのが常識である。
先にも述べたが、剥き出しの遊戯銃を持ち歩く事そのものが違法行為である上、たとえケースに入れていた場合でも金融機関などに持ち込んだ場合は通報される恐れもある。
[編集] ゴミ
自然を利用して遊ぶゲーム愛好者は、自然環境にも気を使うよう求められている。ゴミを持ち帰るのは当然で、タバコや菓子・清涼飲料水包装の投げ捨てに関しては、罰金を課す大会も存在するようである。
またこれらゲームではどうしてもエアソフトガンの弾が回収不可能な状態で散乱してしまい易いが、これらも可能な限り回収する事を勧める人もある。
その一方で生分解性プラスチックの登場以降、これ以外の使用を認めない大会・ゲームフィールドも見られる。一般にバイオBB弾と呼ばれるこれらの物は、1~3年で分解して自然に還元されると謳われている。しかし、自然に還る素材とはいえゲーム直後には大量のカラフルな弾丸が散乱している状態になるため、これに苦言を呈する登山者・自然愛好家もある。楽しく遊んだ後に他の人を不快にさせないよう、それなりの配慮が必要だ。
[編集] フィールド
サバイバルゲーム行う場所の事だか、個人所有の私有地を専用フィールドと呼び、専門的にゲームを行える施設として広く一般ゲーマーに貸し出されている場所も存在する。