ゲイ・ダッド
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ゲイ・ダッド(Gay Dad)は、1990年代後期にデビューした英国ロックバンド。オリジナルメンバーは、クリフ・ジョーンズ（ボーカル/ギター）、ナイジェル・ホイル（ベース）とニコラス・バズ・クロウ（ドラマー）、ジェームズ・リズボロ（キーボード）、チャーリー・ストーン（ギター）の5人で、後に3人となった。彼らは過度のメディア報道によってリアルかハイプかと全英で大論争を巻き起こした。チャートではある程度の成功はあったものの、人気を維持することができず2002年に解散した。
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[編集] デビューまで
ゲイ・ダッドは、著名な音楽雑誌のジャーナリストだったクリフ・ジョーンズと彼の学校友達で元出版者のバズ・クロウ（ドラムス）らによって1994年に結成された。当初はゲイ・ダッドというバンド名ではなく、他のメンバーの出入りが激しかった。またこの頃はボーカリストはクリフではなく、クリフはギター担当だった。後に医大生だったナイジェル・ホイル（ベース）が加入した。彼らの初のデモは伝説的なローリング・ストーンズのプロデューサーであるアンドリュー・ルーグ・オールダムとレコーディングされたが、陽の目を見ずに終わった。この頃当時のボーカリストが脱退し、クリフは自分でボーカル取るようになっていった。そしてバンドのアプローチを再考し、サイケデリックな作品とグラムロックの要素を取り入れ、その魅力を高めていった。
ジェームズ・リズボロ（キーボード）が加入すると、バンドは「トゥ・アース・ウィズ・ラヴ(To Earth With Love）」など数曲をレコーディングする。デモはレコード会社の強い関心を引きつけ、15社の争奪戦によりバンドは1997年にロンドンレコードと契約した。その後女性ギタリストのチャーリー・ストーン（ギター）が加入し5人組になった彼らは、バンド名を「ゲイ・ダッド(Gay Dad)」とし、スタジオでレコーディングを始める前に、手始めに1998年前半に英国をツアーした。
論争の的となったバンド名（ゲイの父親とも陽気な父親ともとれる）とグラフィック・アーティストのピーター・サヴィルによってデザインされた印象的なバンドロゴによって、デビュー前からメディアから大きな関心をもって迎えられ、ゲイ・ダッドは英国ロックの救世主として認識された。
[編集] デビュー、束の間の成功
デビューシングル「トゥ・アース・ウィズ・ラヴ(To Earth With Love）」は、1999年1月に全英10位に入った。新人としては破格の勢いに、イギリス中がゲイ・ダッド支持派・批判派に分断し、音楽雑誌などで大論争を巻き起こした。そして1999年9月、デヴィッド・ボウイなどのプロデュースで知られるトニー・ヴィスコンティらと共同製作された彼らのデビューアルバム『レジャー・ノイズ(Leisure Noise』がリリースされる。アメリカでの売上高は25,000枚を上回り上々の売り上げであったが、イギリスでは当初の良い評価にもかかわらず、全英14位でチャート入りして、トップ10を逃した。
またセカンドシングルの「ジョイ！(Joy！)」は全英22位、サードシングル「オー・ジム(Oh Jim)」は全英47位を記録したのみだった。この頃からメディアは一様にゲイ・ダッドの対して批判を始めた（これは典型的な、当初はスターダムに持ち上げておいて、すぐその座から引き摺り下ろそうとするイギリスプレスのいつもの悪い慣習である）。アメリカツアーの後、チャーリー・ストーンはバンドを去り、一時的にアンディ・ベルが参加したものの、オアシスからのベーシストとしての誘いを受けて、結局ゲイ・ダッド加入直前に急遽オアシスに加入してしまう。そんな中バンドは困難を乗り越え次のアルバムに取り組み始めた。しかし、キーボード奏者ジェームズ・リズボロまでも音楽性の違いのためにバンドを去ってしまう。結局バンドは翌年、ロンドンレコードから離脱する。
[編集] 再出発、しかし・・・
ゲイ・ダッドは残ったメンバーで3ピースバンドとして再出発を図り、より小さなインディーレーベルB-Uniqueと契約し、アルバム作りを再開した。まず2001年にリードシングル「ナウ・オールウェイズ・アンド・フォーエヴァー(Now,Always And Forever)」をリリースしたが、惜しくもトップ40入りしなかった。広範囲な英国ツアーの後にリリースされたシングル「ハーダー・ファスター(Harder,Faster)」はチャート入りすることもできなかった。アルバムリリース直前の2001年後半にアルバムと同名のシングルがリリースされ、続いてセカンド・アルバム『トランスミッション(Transmission)』がリリースされた。アルバムはスーパーグラスを手本にしたとクリフが語るように、パワーポップ的な音楽性を取り入れた完成度の高いアルバムだったものの、前作発表時点でハイプとレッテルを貼られていたためか、商業的には全く成功しなかった。
[編集] バンド解散
2002年頃からバンドが解散するという噂が広がりはじめた。そしてクリフは『トランスミッション(Transmission)』が米国で発売される直前に、遂にバンド解散を発表した。その理由としてバンドが受けた過度のプレス報道と、バンドの論争の的となった名前に対する否定的な反応から生じている圧力を挙げた。
その後アメリカでは『トランスミッション(Transmission)』がキャピタル・レコードから発表される予定だったが、バンド名にクレームがついたため、その代わりにインディーレーベルThirsty Earによって発売された。
解散後クリフ・ジョーンズはソロアルバムを制作しているという報道もあったが、結局発表されないまま現在に至っている。
ちなみにバンド解散後、彼らのセカンドシングル「ジョイ！(Joy!)」が三菱車のCMに使用された。
