グーグル八分
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グーグル八分(グーグルはちぶ、Google八分)とは、インターネットの検索エンジンであるGoogle(グーグル)で本来なら上位に表示されるはずのウェブサイトが、検閲などにより検索の対象から外れるよう操作され、検索の結果に表示されない状態をいう。村八分になぞらえて呼ぶ言葉である。
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[編集] 概要
グーグル八分は、特定のウェブサイトが検索用のインデックスから完全に削除され、Googleの検索で一切表示されなくなる。World Wide Webとは言うが、実際は検索エンジンがポータルサイトとして重要な存在であり、グーグル八分を受けたサイトは、多くの利用者にとって存在しないも同然になる。そのため、特定のサイトを恣意的に表示されないようにする操作は、情報のアクセス権 (知る権利)の問題になりうる。
[編集] 実例
[編集] 悪徳商法?マニアックス
悪徳商法?マニアックスはグーグル八分にされ、Googleで検索しても正しいトップページは現れない(八分状態と削除しない状態)。この現象は、日本名のドメイン(google.co.jp)からの検索に限られ、プロキシを使ったり、ドメイン名を変更(google.com)などを使い日本以外から検索すると、一番上に正しいトップページが表示される。
この点について、2004年1月に悪徳商法?マニアックスの管理人であるBeyond氏がGoogleへ問い合わせると、「日本の法律上、違法情報に該当すると判断され、Google.co.jp及び弊社パートナーサイトから削除させていただきました」との返答があり、グーグル八分の存在が明らかとなる。元々は株式会社ウェディングからの名誉毀損罪及び営業妨害罪があるのではないかとクレームがありそれが元でグーグル八分となったのである。
また、ウィキペディア日本語版にある悪徳商法?マニアックスの項目もグーグル八分にされている。
[編集] 日本国外では
通常グーグル八分は検索する国の法律に従って行われるが、Googleはアメリカ合衆国の企業であるため、同国内の法律によって違法と判断されたサイトは全世界で表示されない。例えばデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に抵触すると判断されたサイトについては、米国からも日本からも他の国からも検索出来ない。日本語のコンテンツであっても同様である。また中華人民共和国でのGoogleでは、同国政府からの要請により、同政府に反する記事を検索しても一切表示されない。
[編集] 確認方法
特定のページがグーグル八分されているかを確認するには、ページのURLをGoogleで検索すると分かる。URLを検索すると、インデックスに登録されていれば通常はタイトルなどの情報が表示される。しかしグーグル八分されている場合には「Google 宛に送られた法律に関するリクエストに応じて、検索結果のうち 1 件を削除しました。必要に応じて、ChillingEffects.org で削除が発生したことに至った苦情を確認できます」といった案内が表示される[1]。2006年1月にGoogleの検閲ポリシーが変わり、グーグル八分が行われている場合には、原則としてこのような案内が出るようになっているが、実際に案内文の通り苦情が確認できる事は非常に少ない。
[編集] 参考文献
- 佐々木俊尚『グーグル Google - 既存のビジネスを破壊する』文藝春秋<文春新書(501)>2006年 ISBN 4166605011
- グーグルが全世界のウェブ情報を一本化しようとしていること、グーグルの経営モデル、特定企業・米国政府・中国政府による恣意的なグーグル八分の実態、グーグル八分の危険性などが書かれている。
- 吉本敏洋(Beyond)『グーグル八分とは何か』九天社 2006年12月22日 ISBN 4861671469