クィーン・エリザベス2世号
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クィーン・エリザベス2世号 (RMS Queen Elizabeth 2もしくはQE2)は、キュナード・ライン社が保有するクルーズ客船で、20世紀後半を代表する豪華客船である。
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[編集] 概要
名前は、イギリスの女王エリザベス2世ではなく、先代のクイーン・エリザベス号の後継であることにちなむ。そのため、名称が2(Two)であってII(The Second)ではない。1969年に就航し、2004年にクィーン・メリー2世号に後を譲るまではキュナード社の旗艦であった。
主に大西洋横断クルーズに使用されたが、しばしば世界一周クルーズを行ない、日本にも何度か寄港している。フォークランド戦争にイギリス海軍の輸送艦として徴用された経験もある。
数少ない遠洋航海の客船の生き残りで、大西洋を最短距離で結ぶために細長い線形をしていて実に船らしい優美な姿をしている。そのため、クルーズ船として使うのなら若干不便なところがある。度重なる改装によって船内がごちゃごちゃとしており、寄る年波から来る不具合も散見される。遠洋航路時代の伝統から、サービスはモノクラスが基本なクルーズ船にあって、部屋の等級によって利用できるレストランが違うのがサービス面の特徴で、そのためベルリッツ・クルーズガイドでは複数のレーティングを保持している。
[編集] 船データ
- 総トン数:70,327t
- 全長:294m
- 全幅:32m
- 最大速度:32.5ノット(60km/h)
- 客室数:1741室
- 乗客定員:1741名
- 乗組員数:1015名
- 主機関:建造時蒸気タービン→1986年にディーゼルに置き換え