オンドゥル語
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オンドゥル語(オンドゥルご)は、インターネットスラングの一つ。
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[編集] 起源
テレビドラマ『仮面ライダー剣』で主人公が発した滑舌の悪い台詞回しを元にして、ファンが遊びで考え出した言語。『仮面ライダークウガ』におけるグロンギ語のような公式設定ではない。
日本語として聞き取れない台詞を、耳に聞こえた通りに書き記し、それをオンドゥル語と名付けた。『仮面ライダー剣』とは無関係の作品でも、聞き取りにくい言葉はオンドゥル語とされる。オンドゥル語の表記には「オンドゥルルラギッタンディスカー!」のように半角カナを使うことが多いのは、2ちゃんねるを中心に広がったことが起因すると思われる。
『仮面ライダー剣』をオンドゥル語を中心にして見る場合、『仮面ライダー舌(オンドゥル)』と呼ぶ。
[編集] オンドゥル語の由来
オンドゥル語遊びの発端およびその名前の由来は、『仮面ライダー剣』第1話で、主人公の剣崎一真(仮面ライダーブレイド)が先輩の橘朔也(仮面ライダーギャレン)に対して言った「本当に裏切ったんですか!?」という台詞が、滑舌の悪さから「オンドゥルルラギッタンディスカー!?」と聞こえた事にある。
これがまずしたらばJBBSで、次いで匿名掲示板大手の2ちゃんねるで面白がられ、インターネットコミュニティに広がった。
その後『剣崎一真は実はオンドゥル星の王子』という破天荒な設定が誕生した。第3話でも橘がオンドゥル語を発している事が判明したことが大きい。『ライダーシステムのせいで言語中枢がボロボロになり、あんな言葉を喋るようになってしまった』という説があるが、『ライダーシステムに不備はない』事から、やはり彼らはオンドゥル星人だとする説が最も有力的である。
台詞が聴き取りづらくなった理由には、剣崎役の椿隆之の俳優キャリアが短かった(2001年に『GO』(行定勲監督)でデビュー)こと、敵に殴打されている場面での台詞であることなどが挙げられる。だが、無理矢理なこじつけや解釈によるものが増え始めた上、剣崎の滑舌も段々よくなってきたため、シリーズ後半になるころには、橘の「でたらめを言うな」や「やはりそういうことか」、「これ食ってもいいかな?」など、ごく普通に聞き取れる台詞についても、MADムービー等のネタとして頻繁に使われることになった。これらは、純粋なオンドゥル語ではないがオンドゥル語の亜種として定着したと言える。
あくまで悪ふざけから誕生した用語なので『仮面ライダー剣』のファンにはこの用語・用例が使われるのを嫌っている人も多い。面白半分でファンに対して使うと相手の気分を害する場合さえある。
放送後においては、『剣』に限らず他の特撮や一般ドラマ、アニメなどのファンの間でも、「演技が拙い」「滑舌が悪い」ことを指す一種の隠語として転じられたこともあり、「あの役者はオンドゥルだ」「演技がオンドゥルっている」などと使われる。
また、橘は最終話の肝心なシーンでも「ケンジャキーー!!」とオンドゥル語を発している。
[編集] オンドゥル語一覧
注:wikipediaでは半角カナが推奨されないため全角での表記だが、通常は半角カナで表記されることが多い。
- オンドゥルルラギッタンディスカー!!…「本当に裏切ったんですかー!」
- ダディャーナザァン!!…「橘さん!」
- ※同義語で「タチャバラサン!!」・「タチュバラサン」・「タチュバナサン」などがある。
- チッヴァヴンダ…「違うんだ」
- クサー!!…「橘ー!」、「くそー!!」の可能性も。
- チョッチョウ!…「所長!」
- プラズマチョチョン…「烏丸所長」
- ケッチャコ!!…「決着を!」
- カテキヲウツ!!…「仇を討つ!」
- ナンドル!!…「なんだ!」
- キミハタダタダ!…「君は手を出すな!」
- パンツハワタサン!…「そいつは渡さん!」
- ザヨゴー!!…「小夜子ー!」
- オルィロ!!…「おりろ!」
- オッイッレッロ!!…「どいてろ!」
- ワーッサカアイツガ?…「まさかあいつが?」
- ヒトニウラギラレタニタタカッチタノカ…「人に裏切られたのに戦ってたのか」
- コロモノコロカラヒーローニアコガレチタ!…「子供の頃からヒーローに憧れてた!」
- ナズェミデルンディス!!…「なぜ見てるんです!!」
- キバッテルデショ!!…「決まってるでしょ!」
- カジャラ…「(それが目印にならない)かしら」
- ウゾダドンドコドーン!!…「嘘だそんなことー!」
- アンギョンワダ!!…「相手は俺だ!」
- ヌゲタカ…「逃げたか」
- アンナルンゲンナデカャール!!…「あんな人間何故庇う!!」
- オデノカラダハボドボドダ…「俺の体はボロボロだ」
- ジカイモミテグデナイドォ、オデノガダダバボドボドダァ!'…「次回も見てくれないと、俺の体はボロボロだ!」
- ※SUPERヒーロータイムのEDでの天野浩成(橘朔也役)のトーク
- オレァクサムヲムッコロス!!…「俺は貴様をぶっ殺す!!」
- この台詞を叫んだときの始の表情は強烈なインパクトを持つため、「ムッコロフェイス」と呼ばれている。
- クサムカァ! クサムァガミンナウォー!!…「貴様か! 貴様がみんなを!」
- ダリナンダアンダイッタイ…「誰なんだあんた一体」
- コンナトコロデ、コドモタチニイワナイ!…「こんな所で、もたもたしている暇はない!」
- ワーチョマーチョマーチョナチョノーン?…「まーた間違いじゃないのー?」
- ヒドォオヂョクテルトヴットバスゾ!…「人をおちょくってるとぶっ飛ばすぞ!」
- オッペケテンムツキー!…「追っかけて、睦月ー!」
- チカローヲイラギレバイツデモワタシノモトヘコイ!…「力を得たければいつでも私の元へ来い!」
- ヘシン!…「変身!」
- ※同義語で「ヘンジン!」がある。
- ウェイー!…「うわー!」または「うぉー!」
- ※椿の掛け声は出演者達にも「ウェイ」「ウェイー」「ウェーイ」と聞こえており、森本らにも「ウェーイって道(Way)かよ(笑)」のようにネタにされた。
- ちなみにこの掛け声は椿が無心で発したものであり、意図的にそう言ったわけではない。平成ライダーシリーズでは基本的に技の呼称をしないため、歴代の役者は皆他の役者及び演じているライダーとの掛け声の差別化に苦労しているらしい。オイヨイ語に於いても、「ウ」が「ウェ」になっており現代日本語の推移として興味深いものがある。
- ウニナンダヨ…「無理なんだよ」
- ノリナンダナ…「無理なんだな」
- タカラヅカニコワイガ、アマッタレナフルァ!…「確かに恐いが、甘ったれだよ俺は!」
- ディオバスディオ…「手を出すなよ」
- ニゴリエースハオレノモノダー!…「カテゴリーエースは俺のものだ!」
- ゲゲゲ!…「剣崎!」
- コレガ、トウキョウアンデッド…「これが、上級アンデッド」
- オレノジャマヲスルナラカタイップロポッポデロ!…「俺の邪魔をするなら例えBOARDでも!」
- カンショーシーンデス…「返して欲しいんです」
- シゴネツダ…「すごい熱だ」
- ニンゲガドンドアンデトモドキニナッチマイワス…「人間がどんどんアンデッドもどきになってしまいます」
- ウシロニハラガタッテイル!…「無性に腹が立っている!」
- オレァヨワイオドーダララナ…「俺は弱い男だからな」
- オヨヨィ…「おいおい」
- オマエ、ドウシテドンドコド…「お前、どうしてそんなこと」
- ジカンガナリタッルルラロー!…「時間が無いと言っているだろう!」
- ゲゼンシャ!…「偽善者!」
- アノコロロ…「あの頃の」
- アンテット…「アンデッド」
- ヌツキヲ…「睦月を」
- ハジュメヲ…「始を」
- ダジュアナザンヲ!…「橘さんを!」
- ムジカ…「睦月か」
- タチュバナサヌワ…「橘さんだわ」
- アバレチャンチャチョベルナ!!…「天音ちゃん達は中だ!」
- オレダッテケッチンサレタラクヤシイ…「俺だって人質にされたら悔しい」
[編集] オンドゥル語からの派生
- 『仮面ライダー剣』の登場人物の中には、オンドゥル語にちなんだあだ名をつけられている者がいる。もちろん、公式なものではなく一部のファンによってつけられたものである。一例として、以下のようなものがある。
- 剣崎一真…王子(ファンサイトにて「オンドゥル星の王子」という設定をつけられたため)
- 橘朔也…ダディ(「ダディャーナザァン」の短縮)
- 相川始…ムッコロ(「オレァクサムヲムッコロス」から)
- 上城睦月…ムッキー(「オッペケテンムツキー」から)
- 『仮面ライダー剣』で使われている歌の中には、歌詞がオンドゥル語になってしまっているものがあり、それらもファンによってあだ名が付けられている。
- 初代ED「覚醒」…小錦LOVE(冒頭がそう聞こえる)
- 2代目OP「ELEMENTS」…タカラミ剣(冒頭がそう聞こえる)
- 2代目ED「rebirth」…辛味噌(サビの最後がそう聞こえる。DVD6巻のトークで森本に「カラオケでは辛味噌と歌ってください」とネタにされていた。)
- 3代目ED「take it a try」…敵裸体(サビの最初がそう聞こえる)
『仮面ライダー剣』以外の仮面ライダーシリーズの歌詞もオンドゥル語になってしまっているものがある。
- TVスペシャル『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』OP『ドラゴンロード』…エンゼルパイ(サビ部分の『ENDLESS FIGHT(エンドレスファイト)』という歌詞だがそう聞こえる)
[編集] TIPS
なお、2006年1月頃まで、『仮面ライダーオンドゥル』でGoogle検索を行うとテレビ朝日の『仮面ライダー剣』公式ページが1番目に現れるという現象がみられた。
2006年10月現在でも、YAHOO!JAPANで「仮面ライダーオンドゥル」で検索を行うと公式ページが1番目に現れる。
現在において下記のGoogleで同様に検索を行うと奇しくもこのページがトップに表示される。