エンデュミオン
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エンデュミオン(エンデュミオーン、’Ενδυμίων, Endymion)は、ギリシア神話に登場する人物。
[編集] 家族構成
エンデュミオンは、ゼウスの息子アエトリオスとアイオロスの娘カリュケとの息子、あるいはゼウスの息子とされる。妻は水のニュンペあるいはイピアナッサで、その間に息子アイトロス、パイオン、エペイオスと、娘エウリュキュデがいる。また、ピサも娘とされることがある。他にもエリスの伝承では50人の娘がいるとされるが、これはオリムピアドの期間が50ヶ月であるためだと考えられている。
[編集] 栄光
テッサリアからアイオリス人を率いてエリスに到達し、エリス王となった。息子達には王位を競技によって争わせ、次の王位についたのはエペイオスであった。また、オリュムピアからクレタ王クリュメノスを追い払って、その王位も奪った。
[編集] 悲恋
エンデュミオンは、セレネとの悲話で知られる。ある日、山の頂で寝ていたエンデュミオンを見たセレネは、恋に落ちた。自分とは違い、老いていくエンデュミオンに耐えきれなくなった彼女は、ゼウスに彼を不死にするように頼んだ。ゼウスはその願いを聞き入れ、彼を永遠の眠りにつかせた。一説によればセレネ自身が行ったともされる。以降、毎夜セレネは地上に降り、眠るエンデュミオンのそばに寄り添っているという。
エンデュミオンが眠る場所は通常ペロポネソスとされるが、一説によればカリアのラトモス山とされる。そのため、エンデュミオンの墓はエリスとラトモスの両方にあった。カリアのヘラクレス山の人々は、彼のためにラトモス山に神殿を建てた。また、セレネとアルテミスが同一視されるようになってからは、恋の相手はアルテミスとされるようにもなった。