エラト
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エラト(エラトー、Ἐρατώ (’Ερατώ) , Erato, 「愛らしい女」「愛情あふれる女」「愛すべき女」の意)は、ギリシア神話に登場する女神あるいは人物。
[編集] ムーサのエラト
エラトは、ギリシア神話に登場する文芸の女神ムーサたち(ムーサイ)の1柱。すべてのムーサたちと同じく大神ゼウスとムネモシュネの娘。抒情詩、歌唱、舞踏により愛情を芸術的表現する女神である。
9柱のムーサたちのうち、「独唱歌」(独吟叙事詩)を司る。表される際の持ち物は、竪琴だが、この様にムーサたちが細分化されたのはローマ時代のかなり後期になってからである。
他のムーサたちと同様、単独の神話はほとんど無い。
[編集] ニンフのエラト
木のニュンペ(ニンフ)であるエラトは、さらに古い時代には、アルカディアのリコトラの神殿に使えていたパンの預言巫女として、神託を参拝者に伝える役目を果たしていたといわれている。アルカスとの間にアザンを産んだという。