エイレナイオス
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エイレナイオス(130頃 - 202年)は古代のキリスト教の理論家(教父)、司祭である。リヨンのエイレナイオスとも呼ばれる。ラテン語ではイレネウス(Irenaeus)といい、日本ハリストス正教会ではイリネイと呼ぶ。カトリック教会および東方正教会で聖人である。カトリック教会での記念日は6月28日。
エイレナイオスは小アジアのスミルナに生まれ育った、おそらくギリシア人であろう。若いころ、ポリュカルポスの教えを受け、経緯不明ながらガリアに赴いた。ガリア州ルグドゥヌム(現在のリヨン)で司祭として働いている時、モンタノス派の問題について検討するため、リヨンからローマへ派遣された。リヨンに戻ると、殉教した司教フォティヌスの後継者として司教に選ばれた。
復活祭をいつ祝うかが地域によってちがっていたことから始まった復活祭論争では、エイレナイオスは地域による違いを尊重するようにという意見を述べている。
最初期のキリスト教理論家のひとりであり、ルグドゥヌムの迫害に際して、キリスト教を擁護する著述を残した。