ウィンブルドン現象
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ウィンブルドン現象(-げんしょう)とは、市場経済において「自由競争による淘汰」を表す用語である。特に、市場開放により外国系企業により国内資本企業が淘汰されてしまうことをいう。ウィンブルドン効果とも呼ばれる。
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[編集] 概要
市場経済において自由競争が進んだため、市場そのものは隆盛を続ける一方で、元々その場にいて「本来は地元の利を得られるはずの者」が敗れ、退出する、あるいは買収されること。
競争により活性化し望ましいという見方と、在来のものが除外され望ましくないという見方がある。
[編集] 語源
テニスのウィンブルドン選手権が語源。伝統ある同選手権では世界から参加者が集まるために強豪が出揃い、開催地イギリスの選手が、全く勝ち上がれなくなってしまったことから。
[編集] 金融市場における現象
1980年代、マーガレット・サッチャー政権によりビッグバンと呼ばれる大規模な金融の規制緩和が行われた結果、シティ(ロンドン金融市場の中心地)は発展を続けたものの、地場の伝統ある金融機関の殆どが外資系金融機関に買収された。以下、典型的な数例を挙げる。
- カゼノヴ
- 1823年創業の株式ブローカーであり、小規模ながらイギリスの有名企業、富裕著名人の多くを顧客としていることで有名だった。同社は「シティで最後の独立系インベストメント・バンク」といわれていたが、2004年にアメリカのJPモルガン・チェースに事実上買収された。