アマーヌッラー・ハーン

ハビブッラー・ハーン国王の死去（1919年2月21日）後、2月27日、叔父のナスルッラー・ハーンを追い出して国王（アミール）を宣言した。2月28日、アフガニスタンの独立を宣言。ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国と外交関係を樹立。

1923年、ハザラジャート州で、1924年、パクティア州でパシュトゥーン人の蜂起が起こったが、これを鎮圧。

1926年6月7日、国王の称号をアミールからシャーに変更した。同年、ソ連と中立及び相互不可侵条約を締結。

1928年、カブールの男性に洋服の着用を義務付ける命令を公布。同年、シンワラ等の地で反乱が起こった。

反乱指導者ハビブッラー・カラカニの部隊がカブールを占領し、アマーヌッラー・ハーンは、1929年1月14日、退位してイタリアに亡命した。

イタリア及びスイスで私人として暮らし、政治から退いた。チューリッヒで死去。

[編集] 治世

対外的には、1919年5月、イギリスに対してジハードを宣言し、英領インドのパンジャブ州のパシュトゥーン人に蜂起を煽動した。イギリスは、1ヶ月間、アフガニスタンに部隊を投入したが、顕著な軍事的及び政治的成果を収められずに退却し、対外政策問題も含めてアフガニスタンの独立が承認された。

アフガニスタンの聖職者階級は、当初新国王を支持していたが、すぐに積極的な敵対派に変わった。聖職者の特別な不満を引き起こしたのは、多妻制及び未成年者との結婚の禁止、チャドルを被る義務の撤廃、並びに女学校の開校及び教育に対する聖職者階級の監督の廃止等、トルコで行われたような改革の実施だった。

1923年以降、改革に不満を持った保守派の蜂起が頻発した。1928年の洋服着用を義務付ける命令は、結果的に彼の致命傷となった。イギリスは、これを好機と見て、タジク人のハビブッラー・カラカニに資金と武器を手渡し、アマーヌッラーを打倒することに成功した。