アプリケーションエンジニア
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アプリケーションエンジニア(略称アプリケーション、もしくはAE)は、情報処理技術者試験の一区分であるアプリケーションエンジニア試験に合格した者に認定される資格である。この資格は対象業務の分析からシステム設計・基本設計・詳細設計・プログラミング・テストといった一連の作業に係わる者、いわゆるシステムエンジニアを対象としている。合格率は例年6~8%程度と低い。この区分は高度情報処理技術者に分類されている。
元々は1971年より開始された特種情報処理技術者という区分であったが、1994年より現在の名称に変更されている。1971年から2000年までは受験に年齢制限(受験する年の4月1日時点で満25歳以上であること)があった。さらに1995年からは、受験に際し業務経歴書の提出を行う必要があった。この区分は2001年に行われた情報処理技術者試験の大規模改訂の後も存続しているが、試験方式や試験問題に変化が起き、さらに年齢や業務経歴書の提出といった必要事項は廃止されている。
以後アプリケーションエンジニア試験について述べる。
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[編集] 試験
例年、10月の第3日曜日に秋期情報処理技術者試験の一区分として行われる。
午前試験は多岐選択式、午後試験は記述式と論文式に分かれている。
[編集] 午前
マークシート式で55問出題され、全問回答しなければならない。(2005年よりセキュリティ関係の問題が5問増えている。)午前試験は2001年よりシステムアナリスト試験、プロジェクトマネージャ試験と共通の問題を解くことになった。同じく2001年より、ソフトウェア開発技術者試験、システムアナリスト試験、プロジェクトマネージャ試験に合格して2年以内の者であれば、申請により午前試験を免除される。試験はIRT(項目応答理論)によって採点され、800点満点中600点以上で合格である。
[編集] 午後I
業務システムの設計構築に関する問題が4題出題される。そのうち2題が必須問題として必ず回答しなければならないものである。さらに残った2題から1題を選択して回答する。素点採点で、800点満点中600点以上で合格である。
[編集] 午後II
3つのテーマから1つを選んで、自分の業務経験(800字)と小論文(2問合計で1600~3200字)を書く。採点はA,B,C,Dの4段階で評価され、Aのみ合格となる。
[編集] 試験の評価
情報技術そのものの深い知識はそれぞれの専門家(いわゆるテクニカルエンジニア)に任せるという姿勢から、問われる技術のレベルはそれほど高くない。その反面、基本情報技術者試験やソフトウェア開発技術者試験ではほとんど要求されなかった業務分析や業務知識を扱う問題が前面に出てくる。特に午後問題では、業務知識を備えていないと、問題文の読解も困難となる。そのため業務未経験の学生や研究者が合格することは、ほとんどない。このためこの試験は、システムエンジニアの能力及び業務経験を認定する資格と受け止められている。
だが実際には、同時に行われるシステムアナリストやプロジェクトマネージャを取る方が就職や待遇の面ではるかに有利である。このため、この区分はゼネラリストSEの単なる通過点とみなされている。
また前述のように技術一本槍では合格が非常に厳しい区分である。この点から、主に理工系の専門教育を受けてきたシステムエンジニア(いわゆる理系SE)はこのあたりからキャリアとしての壁に直面する者もでる。この点を揶揄、皮肉って、シスアナ、プロマネ、アプリ、監査、管理、上級シスアドは文系SE向け試験とか文系SE有利な試験だとか言う者もいる。
[編集] 関連リンク
[編集] 情報処理技術者センター
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