アケルナル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
アケルナル (Achernar) は、エリダヌス座にある恒星である。エリダヌス座α星であり、学名はα Eridani（略称はα Eri）。視等級は0.46等で、オリオン座のベテルギウスが明るくなったときは全天で10番目、暗くなったときは9番目に明るい恒星である。スペクトル型はB3Vnp、絶対等級は-2.78等である。表面温度が12000 Kほどもあるかなり高温の星で、質量は太陽の約6倍あり、青白く輝く巨星である。太陽系からの距離は144光年である。
アケルナルという固有名は、アラビア語で「河の果て」という意味である。これは、アケルナルが、エリダヌス座の南端にあり、オリオン座の西から始まるエリダヌス川が、蛇行しながら南へ流れ、アケルナルで終わるように見立てられたことから来ている。
アケルナルの赤緯は-57°14′（2000年）であり、北緯約33度より北では地平線より上に昇って来ない。そのため、日本の大部分や、北半球の多くの国々では全く見ることができない。また、沖縄などでもあまり高く昇らず、南の空に低く見ることしかできない。このため、かなり明るい星にも関わらず、日本での知名度はそう高くない。しかし、南半球では、青白い輝きが目立ち、また、近くに小マゼラン雲も見える。
2003年のヨーロッパ南天天文台のVLT干渉計による観測により、アケルナルは、赤道方向に極めてつぶれた形をしていることが分かった。赤道方向の直径は太陽の約12倍、極方向は約7.7倍であり、赤道方向の方が1.5倍も長い。これは、時速約250kmという猛スピードで自転しているためだと考えられている（太陽は時速約1.8km）。
