もんぺ
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もんぺ は、日本で用いられる女性向けの労働用ズボンないし袴の一種である。ゆったりした胴回りと足首の部分で絞った裾が特徴であり、着物の裾や上着を中に入れることができ、活動に適する。もっぺ、もんぺいとも呼ぶ。股引が語源といわれている。
素材は藤・葛・麻地などを用いることが多い。大昔は皮が用いられ、後には木綿地が用いられた。古くは東北地方で着物の上に纏う山袴として労働、日常生活に用いられていたものであったが、太平洋戦争中に、厚生省によって空襲時の防空用や敵兵による強姦対策用といった名目で女性に着用が義務付けられ、半ば強制された(その前の時期から男性には国民服が制定、配給されていた)。その際、縞木綿や藍絣など丈夫な布地が使われ、よそ行き用には絹地を用いる場合もあった(布地統制の為、和服の仕立直し)。白木屋の火事と並んで、もんぺ着用もズロースを普及させたと言われている。もんぺは現在でも動きやすい作業衣装として販売されている。
国家に半ば強制された歴史もあり、もんぺは戦時の劣悪な国民窮乏生活の代名詞として用いられることもある。歌手の淡谷のり子が、戦地で慰問演奏する際、もんぺを穿かずステージ衣装で出演したことは有名で、当局から睨まれる一因となった。