すり鉢
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すり鉢(すりばち、擂り鉢)とは、食材を細かな粒子状に砕いたり、ペースト状にすりつぶす加工を行うための調理器具である。形状は「すり鉢状」という言葉があるように、円錐を逆にしたような形で、下がすぼまり上に行くほど径が大きくなる。鉢の内側には櫛目(放射状の縦の溝)が付けられており、溝に食材が引っかかるために、少ない力で効率よくすりつぶせる。棒状のすりこぎと対で使われ、すり鉢の内側にこすり付けるようにすりこぎを左に回して材料をすりつぶして行く。なお、「する」という言葉が博打や商売で「お金をする」につながるとの語呂合わせから、縁起をかついであたり鉢、あたり棒と呼ばれることも多い。そのためすり鉢でする行為をあたると表現する事もある。
すり鉢の大きさは寸(または号)で表される。目安としては、7寸で1~2人用、8寸で3~4人用、9寸で5~6人用である。すり鉢は、一般的に大きめの方が使い勝手が良いといわれている。
すり鉢は、狭義には上記に示した日本独自の調理器具であるが、広義には日本以外で利用されている同様の目的をもった調理器具も便宜上すり鉢と呼ぶことがある。