くじら座タウ星
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データ 元期 J2000 |
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星座 | くじら座 |
赤経 | 01h 44m 04.1s |
赤緯 | -15°56' 14" |
視等級 (V) | 3.49 |
特徴 | |
スペクトル分類 | G8 Vp |
色指数 (B-V) | 0.72 |
色指数 (U-B) | 0.21 |
変光星型 | なし |
アストロメトリー | |
視線速度 (Rv) | -17.0 km/s |
固有運動 (μ) | 赤経: -1722ミリ秒/年 赤緯: -854ミリ秒/年 |
年周視差 (π) | 274.39 ± 0.76ミリ秒 |
距離 | 11.88 光年 (3.644 パーセク) |
絶対等級 (MV) | 5.68 |
詳細 | |
質量 | 0.81 M☉ |
半径 | 0.77 R☉ |
光度 | 0.59 L☉ |
表面温度 | 5,380 K |
金属量 | 22 - 74% |
自転周期 | 31日 |
年齢 | 1.0 × 1010 年 |
他の名称 | |
くじら座52番星, HD 10700, HR 509, BD-16°295, GCTP 365.00, GJ 71, LHS 146, HIP 8102
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くじら座タウ星(バイエル符号:Tau Ceti(τセティ))は太陽から11.9光年の距離に存在する主系列星である。 太陽に似ている恒星であり、質量は太陽の81~82パーセントで、直径は77パーセントだが、明るさは59パーセントほどしかない。
この恒星は誕生後100億年ほどたっていると考えられており、質量に比して明るさが低いのは恒星のエネルギー源となる水素の核融合反応の速度が遅いためである。主系列に属する恒星の絶対光度はおおよそ質量の3乗から4乗に比例しているので、太陽より軽量なタウ星は、太陽との質量比以上に光度が小さくなる。 エリダヌス座ε星と共にオズマ計画の目標となったが文明の存在の証拠は得られなかった。 タウ星では塵の円盤が確認されており、これはエッジワース=カイパー・ベルトに相当し、恒星から55AUの距離まで広がっている。 しかし、この塵の円盤の質量はエッジワース=カイパー・ベルトの10倍以上であり、なぜ質量の多い塵の円盤が存在するかは不明である。
[編集] 惑星系
位置天文学やハッブル宇宙望遠鏡を使用した調査では発見可能な木星型惑星は発見されなかった。 0.6AUから0.9AUの距離に地球型惑星が存在すれば水が液体で存在し居住に適していると考えられるが、木星型惑星が存在しないため、地球が木星に守られるようなシステムが無い。太陽系では、火星と木星の間にある小惑星帯やエッジワース=カイパーベルト或いはオールト雲から来る彗星や小惑星が、木星の強い引力により軌道を変えられて地球などとの衝突が回避されて来たと言われるが、タウ星を巡る惑星ではそうした小天体との接近・衝突が頻発し、生命が存在するのは困難だと思われる。