お金がない!

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『お金がない!』（おかねがない）は、1994年 7月から9月にフジテレビ系列のテレビ局で放映された連続テレビドラマ作品である。学もなく貧困を極めた青年が一流企業で活躍して仕事を成功させていく痛快なサクセスストーリー。

注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。

[編集] 概説

主人公である萩原健太郎は、小さな町工場で働く25歳の青年。親を亡くし、親が残した多額の借金と幼い二人の弟を抱えて、貧しい暮らしをしていた。しかし、貧乏ながらも弟たちや友人に囲まれて、楽しく生活していた。

待ちに待った給料日に、たまには贅沢をしようと焼肉を食べに行こうと、弟たちと約束する。しかし、萩原の働く工場に行ってみると会社は倒産していた。給料も支払われず、焼肉は食い逃げを敢行。

その後、幼馴染の美智子の紹介で、超大手外資系保険会社であるユニバーサル・インシュアランスの、ビルメンテナンスを行う清掃会社に転職する。そして、萩原は一生に一度のチャンスを賭けて、ユニバーサル・インシュアランスに潜り込み、社員のふりをして一つ仕事を成し遂げてしまう。

そして社長の目にとまり、社員として認められるが....

[編集] キャスト

[編集] 家族・友人

萩原健太郎：織田裕二

常に前向きで積極的な姿勢で仕事に臨む男。

おだてられるとすぐに調子に乗る所が少しばかり痛いが、自分に与えられた仕事をこなすためには努力を惜しまない。

持ち前の明るい性格と気合と強運で困難な仕事を数々こなし、チャンスを掴んでいく。

萩原祐介：富田樹央

健太郎の弟。萩原兄弟の次男。食事の用意や洗濯などの家事をこなす、年齢の割りにしっかりとした少年。

萩原浩：森廉

健太郎の弟。萩原兄弟の三男。幼いながらも仕事に懸命な健太郎に理解を示す。ブタの貯金箱に愛着を持つ。

神田美智子：財前直見

萩原の幼馴染。ユニバーサル・インシュアランスのビルの清掃会社であるユニバーサル・ビルサービスで働く。

夜は実家の居酒屋しんちゃんで兄の手伝いをする。古風な考えを持つ女性。

萩原を支える一方で、仕事人間に変っていく萩原に家族の大切さを諭す場面も。

[編集] ユニバーサル・インシュアランス社

氷室浩介：石橋凌

ユニバーサル・インシュアランス日本支社社長。萩原の強運と素直な性格に一目を置く。野心は高い。

柏木麗子：高樹沙耶

ユニバーサル・インシュアランス第一営業部長。何よりも仕事第一に考える女性。

使えない社員は、たいてい3ヶ月以内にクビにするか、辞めていく。社長の氷室の愛人でもある。

大沢一郎：東幹久

ヘタレなユニバーサル・インシュアランス社員。部長である柏木の秘書を務めている。萩原に出会ってからは、萩原の考え方や仕事へのスタンスに影響されながらも、自分の弱さと戦う。

白石浩一：金田明夫

第一営業部の中堅社員。嫌味な性格で萩原の活躍を疎ましく思う。

吉村修平：田口浩正

第一営業部の若手社員。汗かき。京子に嫌悪されている。

相沢正人：井ノ原快彦

第一営業部の若手社員。受付嬢と親しい萩原に嫉妬している。

山岸京子：芳本美代子

第一営業部の若手社員。大沢に想いを寄せるお嬢様。テーブルマナーは一流。

[編集] その他

上野格次：今井雅之

萩原の借金取り。潔癖症で耳掃除が大好き。普段は静かに喋るが怒った時は大声を出す。美智子におにぎりの差し入れをしてもらってから美智子にはちょっと弱い。

田端大助：高杉亘

萩原の借金取り。チンピラ気分が抜けずにいる若者。いつも上野に怒られている。しかし大柄なため迫力がある。萩原の弟達に、「刑務所が怖い」と泣き言をいう場面も。

神田慎吾：松崎しげる

居酒屋しんちゃんの大将。独身。面倒見がいい。美智子の兄。

徳川家安：梶原善

清掃会社の主任。美智子に恋心を抱いていて頭が上がらない。後に驚きの過去が発覚する。「納得いかねえなぁ」が口癖。

安斉さおり：菊池麻衣子

ほか

[編集] 各回サブタイトル・放送日・視聴率

第１話「ブタの貯金箱」（1994年7月6日）17.2％
第２話「仕事もない！」（1994年7月13日）17.7％
第３話「プライドもない！」（1994年7月20日）24.6％
第４話「運もない！」（1994年7月27日）20.1％
第５話「希望もない！」（1994年8月3日）18.5％
第６話「愛情もない！」（1994年8月10日）17.9％
第７話「勇気もない！」（1994年8月17日）19.9％
第８話「血も涙もない！」（1994年8月24日）20.7％
第９話「義理も人情もない！」（1994年8月31日）19.1％
第10話「時間がない！」（1994年9月7日）20.8％
第11話「お金がある！」（1994年9月14日）26.0％
第12話「やっぱり、ない！」（1994年9月21日）23.3％

平均視聴率　20.5％

[編集] 主題歌

織田裕二　「OVER THE TROUBLE」（東芝EMI）

[編集] 特記事項

NTTDoCoMoのCM「織田主任」の役柄はまさにこの作品で演じたキャラをそのまま継承している。
現在も全国的に頻繁に再放送されており、特に東海テレビ放送では、毎年といっていいほど春ごろに再放送されてる。当作品が良作といわれるのは、頻繁に再放送をしているためであるだろう。
萩原兄弟が住んでいた川岸の木造家屋はセットではなく、江東区永代にある巽橋の真横に実在する船場の家屋式倉庫であった。実際に見るとその倉庫の奥行きは2メートルもなく、とてもじゃないがドラマの萩原家のように人が住めるような建造物ではなかった（当然、家の中だけは渋谷ビデオスタジオのセットであった）。そして、このドラマのヒットにより一時期は観光名所にもなっていたが、東京都の河岸工事に伴い2002年 7月にこの倉庫は近隣住民に惜しまれつつ撤去された。
このドラマでは萩原兄弟が焼肉屋で食い逃げする（最初から意図的な食い逃げではなく、料金は用意していても件の借金取りによって店内で徴収されてしまい、予算が無くなった為にやむを得ずの場合も）シーンが数多く見られたが、その中でも萩原が金融屋にばったり出会って給料を根こそぎもぎ取られた焼肉屋は墨田区墨田に今でも実在しているお店で、そこで大沢や神田美智子とともに食い逃げして、追いかけた焼肉屋の店主（役者）と萩原たちが最後に行き着いたのは日本橋箱崎の隅田川大橋の付近であり、彼らが食後にもかかわらずお店から5km以上もの道を走りつづけたことになるため地元の地理に詳しい人たちはドラマとわかりつつもこのシーンに驚愕してしまう人もいた（しかもその店主は5km以上も追いかけながらそのほんの数メートル先であっさり萩原たちを見逃してしまうなどドラマという枠なしに考えればさらに理解できない場面もあった）。