ZETMAN
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ZETMAN(ゼットマン)とは
- 桂正和によるSF漫画で2作品存在する。
- 1994年の読み切り作品。「#ZETMAN(読切)」にて後述。
- 「週刊ヤングジャンプ」で連載中(2006年9月現在)の作品。
- 1-1を収録し、表題とした桂正和3冊目の短編集。「ZETMAN 桂正和短編集」を参照。
以下本稿では1-2、連載作品を中心として記述する。
ZETMAN | |
---|---|
ジャンル | SF・青年漫画 |
漫画 | |
作者 | 桂正和 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊ヤングジャンプ |
連載期間 | 2002年48号 - (連載中) |
巻数 | 7冊(2006年9月現在) |
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日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
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漫画作品 |
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目次 |
[編集] 概要
「週刊ヤングジャンプ」において2002年48号より連載(2006年9月現在長期休載中)の、桂正和初となる青年誌連載作品(初掲載は『小さな灯り』)。 単行本はヤングジャンプコミックス (YJC) として7巻まで販売されている。(2006年9月現在)
科学技術が非常に発達した現代(もしくは近未来)の日本が主な舞台。 大企業アマギコーポレーションの極秘研究によって生み出されたZ・E・Tとプレイヤーに関わるストーリーが、ホームレス出身のジンとアマギの社長御曹司コウガを中心として描かれる。 20年以上に渡る話を回想を交え断片的に描いておりストーリーの全容は未だ見えていない。
元となった読切版『ZETMAN』(後述)とは、単純な勧善懲悪に疑問を呈した「正義とは? 悪とは何か? 」といったテーマは共通するものの、設定等で共通する部分は少なく、ほとんど別作品である。 青年誌に移った事を活かし、今の「週刊少年ジャンプ」では不可能な、暴力的、性的、非道徳的といった過激な描写を含む作品となっている。
コミックは冒頭6〜8ページがカラーであり、コミックスカバーには凹凸感のある特殊印刷が使われている。このためか、通常のYJCに比較し若干高い価格となっている。 またコミック化の際にはコマ割りの変更、性描写のカットなど、大幅な加筆修正が多くなされている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
[編集] プロローグ ジン
手の甲に円状のコブを持ち、強靭な肉体を持つ不思議な少年ジンはホームレスではあるものの大好きな「じィちゃん」と二人で平穏に暮らしをしていた。 しかし突然、ジンとじィちゃんの前に異形の殺人鬼が現れ、ジンの生活は激変する事となる。
[編集] 第1章 コウガとジン
プロローグより数年後、ジンは以前に助けた「おばさん」に引き取られ平穏に暮らしていた。 放火現場近くを通りかかったジンは、かつて自分の前に現れた殺人鬼とよく似た異形の放火犯に出会い戦いを始める。 一方、正義の味方に憧れるアマギの御曹司コウガは、放火犯を捕まえるべく放火現場へと乗り込む。 放火現場においてコウガとジンが運命の出会いを果たす。
[編集] 第2章 青義
コウガの前に「ヒーローになる手助けをしたい」という謎の男が出現。彼はそのテストとして一つの問題を出す。 今溺れさせられている妹とこれから殺されてしまう3人組のどちらを助けるか? 妹の元へ向かいその安全を確認したコウガだったが、翌日テレビで3人組の変死体が見つかった事を知る。 謎の男を倒しヒーローとなる為、コウガは謎の男の挑戦を受けその屋敷へと乗り込んでいく。
[編集] 第3章 哀情
1・2章より2年後、ジンが暮らすゴーストタウンに一人の家出少女が迷い込みプレイヤーに襲われる。 ジンは少女を助けるため、ひいてはプレイヤーを倒すためにZETへと変身する。 そして『新たなるZET』に近づきつつあるジンを連れ、光鎧は共に2年振りの研究所へと向かう事となった。
[編集] 主な登場人物
[編集] ジンの家族
- 神崎 人 (かんざき じん)/ジン
- 本作の主人公。通称ジン。手の甲に円状のコブを持つ不思議な少年で、非常に高い身体能力を持つ。しかしその正体は神崎博士の研究によって生み出された生命体ZET。幼少期をじィちゃん(神崎悟郎)と共にホームレスとして過ごし、その後おばさん(川上明美)に引き取られる。身体能力を活かし、小さい頃から用心棒の様な事をして金を稼いでいる。3章の時点で「たぶん17歳」と言っており、全編を通し背丈等からもコウガと同年代であるが、これは逃亡後に神崎によって成長をコントロールされた為であり実際には誕生からは20年以上経っている。
- 神崎 悟郎(かんざき ごろう) /じィちゃん
- ジンと共に生活するホームレスの老人。ジンからはじィちゃん、ホームレス仲間からはゴローさんと呼ばれている。その実はN・E・T/Z・E・T両プロジェクトに深く関わっていた科学者であり、ZETの生みの親。ZET(=ジン)を「私の子供」と呼んで人間とする事を望み、プレイヤーによる研究所の崩壊時にZETを連れて行方をくらましていた。その後、老人に整形した上でホームレスとなり、ジンを自分の孫として育てる。目醒めたプレイヤーによって腕を根元から切断され絶命するが、アマギによってデータベースとして回収された為、機械に繋がれた生首の状態で脳のみが生きた状態にされる。
- 川上 明美(かわかみ あけみ)/おばさん
- ジンの育ての親。ジンからはおばさんと呼ばれるが、おばさんと言われると怒る。元ヒモ(梶村)に襲われていた所をジンに助けられ知り合い、神崎の死後ジンを引き取り15歳頃まで育てる。1章以降では梶村によってつけられた大きな傷が顔に残っている。初登場時はサクラの源氏名でセクシーパブピンクピーチちゃんで働いていたが、1章以降ではクレープの屋台を営んでいる。子供がいたが別れた夫に取られている。
[編集] 天城家
- 天城 高雅(あまぎ こうが)/コウガ
- ジンと並ぶもう一人の主人公。世界的な大企業アマギコーポレーション社長令息で、次期社長となる事を周りから期待されている。容姿端麗・成績優秀・スポーツ万能であり、火事の際の親子救出劇をきっかけとして女子中高生を中心としたファン層を持つようになり、まるでアイドルであるかの人気を誇る。幼少時のアニメ『銀河超人アルファス』に憧れ、正義の味方になる事を夢見、その恵まれた環境から夢を実現させようとする。ただし、彼の行動には「正義を行う」為に「正義の味方になる」のではなく、「正義の味方になる」為に「正義を行う」という因果の逆転が見られ、小葉からはその正義感に対して疑問をもたれている。二郎達の企みによって、命は取り留めたものの右手を失っている。1章では私立虹華学園中等部3年。
- 天城 小葉(あまぎ このは)
- 高雅の妹。幼少期に母と一緒に炊き出しのボランティアに参加し、そこでジンと出会い、憧れを抱く。中学時に街で襲われかけていたところをジンに再会し助けられ、ジンの事を「天使くん」と呼ぶ。高校時代には再び母と共に炊き出しのボランティアに参加しているようで、ジンとは知人になっており、周りのホームレスからはジンの恋人として扱われている。ただし、ジンとの再会の経緯等はまだ描かれておらず、実際にどのような関係であるかは不明。1・2章では私立虹華学園中等部の2年。3章では高校生。
- 天城 光鎧(あまぎ みつがい)
- アマギコーポレーション会長であり創業者であり前社長。高雅と小葉の祖父。自身の夢の実現の為にN・E・Tプロジェクトを組織させた人物。自社の開発したプレイヤーの逃走に強い責任を感じており、Z・E・Tプロジェクトをはじめとし、プレイヤー絶滅を使命として全人生を捧げている。機密の為であれば無実の人であろうと「消す」事へのためらいは無く、目的の為には手段を選ばない冷徹さを持っている。
- 天城 清造(あまぎ せいぞう)
- アマギコーポレーション社長。光鎧の息子で高雅・小葉の父。二郎にはプレイヤープロジェクトの首謀者と名指しされているが、実際にはN・E・Tプロジェクトの存在を知っている程度でありプレイヤープロジェクトは存在も知らなかった模様。
- 天城 葉子(あまぎ ようこ)
- 清造の妻で高雅・小葉の母。小葉の幼い頃に炊き出しのボランティアに参加した事が光鎧にばれて折檻を受け、この事が小葉の祖父に対するトラウマの原因となっている。これ以降も隠れてボランティアに参加しており、コウガの救出時にはこの為に連絡がつかなかった。2章において離婚、もしくは離婚に繋がる内容を切り出したようであるが清造は離婚を拒否しており、その後どうなっているかは不明。
[編集] アマギコーポレーション
- 加部 衛(かべ まもる)
- アマギコーポレーション社員で、初代社長の時からアマギを支えていた重鎮。光鎧の側近として清造ですら詳しく知らないN・E・Tプロジェクトにも関わっていた。二郎の生み出した人造生物に着目し、プレイヤーとしてN・E・Tプロジェクトの資金源にする事を考案。さらに清造の名を語り二郎にプレイヤーの開発の指示を出した人物であり、一連の事件の元凶とも言える。将来コウガが社長に就く事に不安を覚え、早見を次期社長に推していた。コウガが救出された後、自殺。早見によると二郎や田坂の企みによってプレイヤープロジェクトに関わっていた事が発覚した為に自殺したとの事だが、真偽は不明。
- 早見(はやみ)
- アマギ社員で本人曰く、「元々はただの科学者」。加部が次期社長へと推している事から、かなりの切れ者であると思われる。軍事産業部のアルファスプロジェクトを進め、このプロジェクトによってコウガをヒーローにしようとしている。
- 田坂 秀樹(たさか ひでき)
- アマギコーポレーション広報部。加藤と共に二郎を研究所から救い出し、その復讐心を利用してアマギコーポレーション乗っ取りを計略する。コウガと二郎を始末しようとしたところを最後は二郎によって殺される。
[編集] 研究チーム関係者
- 中田 二郎(なかた じろう)
- プレイヤーの生みの親。N・E・Tチーム時代に「異胞共有による安定」により生み出した生物が加部の目に留まり、プレイヤープロジェクトとして分離独立した新たな研究チームを任される。しかしプレイヤープロジェクトの目的を知り、加部に口答えしたが為に、研究所に息子の一郎の遺体と共に閉じ込められ抹殺されかける。プレイヤーの技術によって一郎を蘇生させ、その代償として自身は「命のクスリ」が必要な老化の激しい体となる。しかしこの体は水だけで生命を維持出来ると言うメリットも持ち合わせ、結果としてこの為に研究所に監禁された状態でも生き延びる事が可能となった。田坂達に救出されてからはコウガを利用し清造を始めとしたアマギに復讐を果たそうとする。一郎の手による研究所崩壊の際に死亡。
- 中田 一郎(なかた いちろう)
- 幼少時にひき逃げにあいずっと植物人間だった二郎の息子。二郎と共に研究所に閉じ込められた際に生命維持装置を外され死亡。その後二郎の手により補足体によって命を補い蘇生したが、心を持たずただ生きているだけの存在となっていた。田坂達の手によって救出された際に日光を浴び、補足体を出現させ人外の姿に。ただしそのおかげで脳が活性化され人らしさを取り戻す。蟲を憑ける事で人を操れ、その人の心が読める。またテレパシーも使える。プレイヤー的な面もあるが、偽造人間ではなく人間をベースとしているため、人間とプレイヤーの中間と考えるのが妥当と思われる。二郎の指示によって多くの無関係の人間を操り殺してきたが、操った多くの人間の心を読んだ経験とコウガの行動から心を理解する。このためコウガの行動の正しさと自分の今までの行動の間違いに気付き、コウガを助け、研究所を崩壊させ自身も死亡した。
- 霧島 零允(きりしま れいじ)
- N・E・Tプロジェクトの中心人物で、神崎と共に偽造人間を生みだした天才科学者。また、ZETを生み出したシステムも彼によって作られた物であることからZ・E・Tプロジェクトにも深く関わっている者と思われる。プレイヤーの襲撃による研究所の崩壊後、行方不明であり、現在のところ名前だけの登場。
- 杉田(すぎた)
- 霧島・神崎を失った後の研究チームの中心人物。
[編集] その他
- 橋本 茉柚(はしもと まゆ)
- 園ノ花森女子高等学校1年でコウガのファン。中学3年の時に援助交際で捕まっている。ただし援助交際にはトラウマを抱えており、強力な媚薬による催淫効果を受けた状態であっても性交を頑に拒み、自身が汚れていると感じている。二郎が引き起こした事件におけるコウガを除いた唯一の生存者。
- 佐山(さやま)
- ジンを幼少の頃から知る警察官。
- 掃除人(そうじにん)
- マントで頭から全身を覆うエボル。エボルが人として静かに暮らすため、裏返り暴走してしまったプレイヤーを始末する役割を担っている。腕が剣の様な形をしており、裏返っている可能性が高いが、理性は失っていない。剣の様な腕で刺す事によって死体を消滅させる事が出来る。
- 家出少女
- 姓名共に不明。矯正をしている17歳(3章時)。小葉と同じ高校ではあるが、知り合いではない。ジンが留置場に拘束されている間に無断でジンの家へと入り込み、ベッドで寝ていた。その後近くでプレイヤーに襲われジンに助けられる。自分を顧みず他人の為にばかり動くジンを目の当たりにして心を動かされ、もう帰って来れないかもしれないと言うジンに「待っている」という言葉をかける。
- 鈴木 聡史(すずき さとし)
- 3章において葉子が参加しているボランティア活動の参加者で、ジンの周囲のホームレスと顔見知り。ボランティア活動の中心人物と思われる。また、ホームレス達は葉子を彼とセット扱いしている事から、葉子とは深い関係である可能性が高い。
[編集] 用語
[編集] N・E・Tプロジェクト
霧島と神崎を中心としたアマギコーポレーションによる極秘プロジェクトで、N・E・Tを造り出す事が目標。
- N・E・T(ネット)
- クローンではない全くオリジナルの「人類とは全く別の新たな地球人」のことでN・E・Tプロジェクトの最終目標。
- 偽造人間(ぎぞうにんげん)
- 霧島・神崎両博士によって造り出されたN・E・Tの前段階。器として考えた時に人間の3倍程の容量があるが、中身は同量のため非常に不安定で、生成液を出ると97分でメルトダウンする。容姿形成システムによって実在の人間の情報を与える事によって、その人間そっくりの形態へと変わっていくが、クローンではないため人間とはDNAが異なる。
- メルトダウン/肉体溶解(にくたいようかい)
- 偽造人間等の人造生命に発生する、肉体の維持が不可能になって体が溶け出す様。肉体が溶解するため当然生命維持も不可能となる。作中用語ではあるが原子力発電所等における炉心溶融の事をさす本義とニュアンスは近い。
[編集] プレイヤープロジェクト
加部の提案により、二郎を中心としてN・E・Tプロジェクトから独立させられたプロジェクト。N・E・Tの目的から外れ、金儲けの為の「おもちゃ」としての生命創造を目的とする。
- プレイヤー
- N・E・Tプロジェクトの資金源として、ごく一部の富裕層を対象とした見せ物(闘技場におけるプレイヤー同士の殺し合い)の為に造られた人造生物達の事。
- 二郎の考案した「異胞共有による安定」に基づき、補足体によって「裏側」を満たし偽造人間を安定させたもの。成功体であれば97分でのメルトダウンは防げるが、人間の3倍の早さで成長(=老化)するため寿命が短い。この老化の早さは「命のクスリ」によって補っている。
- 初期の物は、補足体によって裏返った際の形態は決まり、制作者の意図を反映する事は出来なかったが、後には偽造人間の容姿形成システムを引き継いだ方法によってデザインの反映も可能となった。
- 20年程前に闘技場より13体が逃亡。その後量産用のプラント等を襲撃して不完全体等を連れ出し、さらには今なお増えている可能性もあり、現在のどれほどの数が存在しているかは不明。逃亡者達は、エボルとして人間界にとけ込み人間の振りをして暮らしている。長年騒ぎを起こす事もなかったが、1章の頃から裏返って殺人等を起こすものが現れ始めた。
- 成長抑制剤/命のクスリ
- 老化の早いプレイヤー達が生命を維持する為に必要な薬。バー・エボルにおいて入手可能。一郎蘇生の際に二郎もこの薬が必要な体となっている。すっかり老け込んでいた二郎が、この薬によって若返っている事から、老化を抑制するというよりも、進みすぎた老化を回復する効果を持っているようである。
- 補足体(ほそくたい)
- 偽造人間からプレイヤーを造る際に、その器の容量を満たす為に利用する人間以外の中身の事。初期の物は動物等からDNAを採取し製造していた。後には動物からの採取はやめられ、偽造人間の容姿形成システムを応用した物が使われたようである。
- 裏側(うらがわ)
- プレイヤーの普段表には出てこない性質。補足体によって補う(補われている)部分なので、文脈によっては補足体とほぼ同義になる。
- 裏返る(うらがえる)/目醒める(めざめる)
- 「裏側」が表に現れる事を「裏返る」もしくは「目醒める」と表現する。裏返ると人間以外の性質が表に出てくる為、文字通り人外のモンスターへと変身し、理性を失い興奮状態に陥る(いわゆるハイな状態)。このため暴走し猟奇殺人などを起こす事となる事から、エボルでは裏返る事を禁止しており、裏返った者は掃除人によって始末される。
- エボル
- 「LOVE」を180°回転させてエボルと読む。逃亡したプレイヤー達の恐らく自称。人間にとけこみ平和に暮らす事を望んでいる。バー・エボルが溜まり場のようである。プレイヤーと呼ばれる事を非常に嫌い、エボル同士ではプレイヤーという言葉が侮蔑の言葉になっている。
- 闘技場(とうぎじょう)
- アマギによって作られた、プレイヤー同士の殺し合いを見物する為の施設。秘密を厳守するため選ばれた者のみが高額な入場料を払って初めて入場する事を許された。単に殺し合いを見物する他、プレイヤーの勝敗に対する賭博も行われ、莫大な金を積む事によってオーナーとしてプレイヤーを所有する事も出来た。プレイヤーの脱走時に見学者は全員死亡。以降廃墟と化している。
- 暴きの輪(あばきのわ)
- プレイヤーを裏返させる力を持つ輪のこと。装置として闘技場に設置されていた他、ジンの左手にも存在。
[編集] Z・E・Tプロジェクト
脱走したプレイヤーの殲滅を目的とし、プレイヤーに対抗出来る生命を創造する事が目的。N・E・Tプロジェクトと同じく、霧島と神崎が中心となっていた模様。
- Z・E・T/ZET(ゼット)
- 脱走したプレイヤーの殲滅を目的とし、プレイヤーに対抗出来る生命体。また、この生命体が覚醒した状態を指す。霧島の考案したシステムを使い、神崎によって生み出されたジンが唯一の成功例。普段はZET細胞の割合が低く、限りなく人に近い生命体である。現状ではまだ覚醒による変身は不完全な状態で、細胞状態が不安定なためすぐにメルトダウンが始まってしまう。覚醒を止め人の姿に戻る為には周りにいるプレイヤーを殺さなければならない。
- プロトタイプ
- 霧島が考案し、ジンを生み出したシステムを使わずに造られたZETの前段階。同一デザインから作成された為、外見は類似しているが、能力でZETに遠く及ばない。
- 完全体(かんぜんたい)
- ZETの最終形態。ジンを人にする事を目標としていた神崎にとっては人の状態で細胞が安定する事指し、プレイヤーを滅ぼすことを求めている人間達にとってはZETの状態で安定することを指す。
- 覚醒補足成剤(かくせいほそくせいざい)/ガム
- 人の状態のジンをZETへと覚醒させ、肉体の破損を修復する効果のある薬。通称通りガム状をしており、噛んでからしばらく立つと覚醒がはじまり変身するが、効果は一定時間で切れる。使用後しばらくしてから、激痛が走る副作用がある。
[編集] ZETMAN(読切)
ZETMAN | |
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ジャンル | SF・少年漫画 |
漫画 | |
作者 | 桂正和 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ増刊号 |
連載期間 | 1994年 Autumn Special - (読切) |
巻数 | ZETMAN 桂正和短編集に収録 |
「週刊少年ジャンプ」1994年特別編集オータムスペシャル掲載。 49ページ。 『ZETMAN 桂正和短編集』に収録されている。
バットマンをモチーフにしたと思われるゼットマンのデザイン、主人公の名前(どちらも「ジン」。ただし漢字は異なる。)等、連載作品『ZETMAN』といくつかの類似性は見られるが、設定はほとんど別ものである。 ただし両作には、単純な勧善懲悪に疑問を投げかけた「正義とは? 悪とは何か? 」というテーマが垣間見られ、この読切り作品が連載作品のプロトタイプとなっている事は伺える。
収録短編集の表題作とされ、桂自身が「最も気に入っている作品の一つ」として公言している作品ではあったが、勧善懲悪的な物が求められる少年誌の編集部には非常に受けの悪い作品であった。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
阿久野(あくの)市には大きなツノと悪魔の翼の形に天使の羽を持つ怪人が現れる。正義の使者とも悪の僕とも呼ばれるその怪人はなぜ現れたのか……。
[編集] 登場人物
- 黒乃 神(くろの じん)
- ゲームプログラマ。23才。ヒーロー育成シミュレーションゲーム「ZETMAN」を制作。事故で死亡した母の影響で「正義」に固執する。落雷の影響によりゲーム中のキャラクター「ゼットマン」に変身できる様になり、町の悪を打ちしずめていく。
- 白井 幸子(しらい さちこ)
- 黒乃が唯一心を許す人間。恐らく会社の同僚。
[編集] 関連項目
- バットマン
- ZETMAN 桂正和短編集
- 本作と同じくヒーロを扱った桂正和作品。
[編集] 外部リンク
- 『ZETMAN』スペシャルコーナー - 集英社による特集ページ
- ZETの鼓動 - ファンサイト。雑誌掲載時と単行本収録時の変更点を比較しまとめている。