P&O
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P&O(Peninsular and Oriental Steam Navigation Company、ペニンシュラ アンド オリエンタル スチーム ナビゲーション カンパニー)は、イギリスの船舶会社。
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[編集] 概要
1837年に、当時世界中に植民地を所有していた大英帝国で設立された。1840年に大英帝国政府のポルトガルとスペインへの郵便運送業務契約を獲得。その後1842年には植民地であるインドへの旅客サービスを、1845年にはシンガポールと香港への旅客サービスも開始。その後も日本や中華民国など世界中にその航路を広げた。
[編集] 現在
現在は1996年にオランダの船舶会社、ネドロイド(Nedlloyd)社と合併して設立した「P&O Nedlloyd」社によるコンテナ運送や、ドーヴァー海峡間のフェリー(「P&O Ferries」)など様々な海運サービスも提供されている。客船クルーズ(「P&O Cruises」「プリンセス・クルーズ」 )サービスも提供していたが、クルーズ部門はカーニバル・コーポレーションに売却された。また、P&O Nedlloydはデンマークの海運会社A.P. モラー・マースク(コンテナ船では世界最大手)に買収されている。
[編集] 事件
2002年、P&Oが三菱重工業に発注した世界最大級の豪華客船ダイヤモンドプリンセス(11万3千トン)が建造中の長崎造船所にて火災を起こした。船は19時間燃え続け総面積の4割を焼失した。だが動力炉が無事であったためこの船は破棄せず改修して引き渡されることとなった。
P&Oと三菱重工業は世界最大級の豪華客船を2隻引き渡す契約をしており、「ダイヤモンドプリンセス」を最初に、「サファイアプリンセス」を2番目に渡すこととなっていた。そのため当時建造中であった「サファイアプリンセス」を「ダイヤモンドプリンセス」へと名前を変えて2004年2月に引き渡され、火災にあった船は「サファイアプリンセス」として同年5月にP&Oへと引き渡された。
現在これらの船はP&Oのプリンセスクルーズというサービスにて利用されている。